魔力の溜まり場

第6話 名前

悶え苦しんでいた悪魔は10分後変わり果てた姿になっていた。狼のような黄色い瞳はそのままだったがいわゆるイラストで見る悪魔と同じ尖った尻尾に2本の角、コウモリの様な羽を持っている。体の色は黒に近い紫。

しかし、何かがおかしい。

「ちっちゃ」

そう悪魔は手のひらサイズに小さくなっていた。丁度ハムスターくらいの。あと声が高い。たぶんこの姿じゃ机の上に置いた包丁にも手が届かないんじゃないだろうか。

そのまま逃げようとした悪魔を咄嗟に掴み

俺はなんとなく虫籠に捕獲した。


「ふざけんな!どういうつもりだ!このptn_g1488¥4(8¥4696<2566」

声高っ。

たぶん悪口を連呼する悪魔だが俺は意味が

分からないので全く傷つかない。

「本当の名前も知らない女を信用するなんて

とんでもないな人間は。」

「え?」

「知らなかったのか、悪魔や魔女、鬼や死神の言語はお前らと違うクロユリは間違えなく偽名だ。」

偽名ぐらいで俺は動揺しない!真実の愛の

「別にそれくらい良いけど。ていうか悪魔の名前は?」

「人間お前こそ名前はなんだ。

名前は我々の世界では価値が高いんだ。そう簡単に言えるか。」

「そっか。俺は浪越久作なみこしきゅうさく。」

「そうか、人間。お前趣味最悪だな。気持ちが分からない訳ではないが、嘘つきの偽物がすきなんて。」

「ミステリアスなとこがいいんだろ‼︎」

俺は対抗するが、悪魔は不満気な顔だ。

「ナイスバディーでもないし。」

悪魔が小さな声で呟く。

「スレンダーっていうんだよ‼︎」

そう俺は絶叫した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る