第3話 無条件は無理
物語だとピンチに陥った人の前には無条件で
助けがあって彼らは助けてくれた相手に感謝しハッピーエンドを迎えたりそれぞれの日常
に帰ったり仲間になったりする。だけど、
俺を助けてくれるのはクロユリさんしかいないから誰かを呪うという罪を背負わなきゃならない。こんな事考えてる場合じゃないって
たとえ差し伸べられたのがイバラだって掴む
べきなのは分かってる。
ー分かってはいるんだけど!クロユリさんのいう通り呪ってしまったら俺はどうなってしまうんだろう。
「いやです!名前書くのも呪うのも俺はどっちもさけて助かりたい」
『はぁ?』
2人がハモる。声が出たので俺は勢いに任せて
喋る。
「クロユリさんお願いします。助けてください。無条件で!」
クロユリさんは少し迷う様子をみせる。その間にも俺の手は名前をかき続けていた。
「分かったよ。料金は君の寿命3日分!」
無条件じゃない!流石に無理か。
サラッと恐ろしい事をいいイタズラっぽく笑顔を浮かべクロユリさんは俺の額を触った。
「我はここに契約をする。×〒8☆+〆<」
歌うように何か聞いたことのない言語を唱えたクロユリさんは俺を見て
「許すと言って。」
と言った。
「許す。」
俺は訳が分からないながらもそういう。
「はい、寿命頂きました♪」
そして子供を一瞥し
「来るな。」
と言い ー瞬間空気が金色に光って蠢いた。
「あと少しだったのに。なんで魔女が邪魔するんだ?これだけの魔力を持った子にはそうそう出会えないのに。」
子供が悔しがり裸足で地団駄をふむ。
「この子は私の獲物だからだよ。それが理由。分かったらとっとと帰りなよ低級の悪魔
さん?」
対応が冷たすぎる。獲物って酷すぎだろ、嘘でもそこは好きだからって事にしてくれよ。
あんたが始めた呪いだろと心の中で毒づく。
俯いて怒りに体を震わせていた悪魔がクロユリさんを睨んだ。
「許さない、お前を殺してやる。」
次の更新予定
2024年9月20日 18:00
魅惑の彼女 音 @open2408
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