第17話 車を買いかえようかな
「どうしようか?」
帰宅してから遥香と話をする。
「買い物とかは光ちゃんがお休みの時に買いだめすればいいけど、病院とか緊急性の高い時に私も運転しやすい方がいいよ。それにチャイルドシートもスライドドアじゃないと使いにくいって友達も言ってたし。」
「それじゃあ、買いかえる方向で考えようか。」
「うん。維持費も安くなるならそっちの方がいい。」
あの後、隆人兄ちゃんから買いかえるとしたら、残債を先に処理できるのかどうかということと、次の車の購入に追い金を出せるのか、出せるならいくらくらいまでなら大丈夫そうかということを考えて欲しいって言われた。
車は買いかえるとして、決めてしまわないといけないことはいっぱいありそうだ。
「今の車の残金はどうしよう。」
「維持費も安くなるし、長い目で見たら支払ってしまった方がいいんだろうけど、まとまったお金が一時的にでもなくなるのは不安だなぁ。」
「そうだよね。可能ならそのままで買いかえられないかやってもらおうか。」
隆人兄ちゃんいわく、一括返済を先にしない場合は買取額などで少し減額になるかもしれないとのことだった。所有権解除というのに時間がかかるから、その間は商品として売れないからだそう。
「うん。次の車の購入で追加でお金がかかるとして、30万円くらいなら出せるよ。もともと車検代にとってある金額と合わせてそれくらいなら、問題はないと思う。」
「そっか。だったら話を進めてもらおうか。隆人兄ちゃんが中古車屋さんを紹介してくれるって言ってたし、もし予算に合わなかったら途中でやめればいい。」
こうして、車を買いかえる話が進んだ。
保険のこととかまだまだ教えてもらわないといけないことがあるんだけど、遥香が動ける時に手間のかかることは先に片付けておいた方がいいだろうしね。
保険の見直しなら、手続きじたいは俺だけが話を聞きに行って持ち帰ればいいはずだ。
「もしもし、どうしたの?」
遥香の携帯に電話がかかってきていた。
「え、どういうこと?」
んん?
遥香が意味がわからないといった顔をしている。
「とち?土地って、あの家を建てる時の?」
何気なく見ていると次は驚きの表情に代わり、やがて笑顔になっていく。
「うん、わかった。ありがとう。」
電話を切った遥香は満面の笑みを見せていた。
「何かあったの?」
「聞いて!ママから電話だったんだけど、近くの空き地が売りに出てたんだって!」
「近くの空き地って、あの資材とか置いてあった所?」
「そう。あの実家のすぐ近くにあるやつ。」
「へぇ、ずっとあのままだったから、売りに出るのは予想外だなぁ。」
立地的にあの辺に家が買えたらなぁって思っていた場所だった。
「でねでね、パパがあの土地を買ったから家を建てて住みなさいって。」
「えっ!?」
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