なんでもござれのファイナンシャル・プランナー

第11話 車購入の基本はリセールバリュー①

前回から少し間があいてしまったけど、隆人兄ちゃんから聞いた話はしっかりと復習しておいた。


しかも、不明点があればSNSですぐに答えてくれるのだから、これ以上に心強いことはない。


隆人兄ちゃんの実際の顧客が同じサービスを受けてるのか気になって聞いてみると、サブスク会員の場合のみ月3回までは簡単な質問を受付しているらしい。


因みに、サブスクの月額料金は300円だって。


安くない?と思ったら、会員は3000人以上いるらしい。


それだけで毎月90万円の売上げが上がってるの!?


ヤバくない?


本当にすごいなぁ。


経費とか資格とかいろいろとあるんだろうけど、安月給のサラリーマンからしたらうらやましいかぎりだよ。


あの人、いったいどれくらいの給料をもらっているんだろう。


家の車は国産のSUVだし、家も豪邸ってわけじゃない。時計だって老舗の有名ブランドだけど、結婚の結納返しでもらった物を大事に使ってるらしい。自動巻き時計だから、ちゃんとメンテナスして十数年愛用してるんだって。


贅沢を好まないのか、売上げは会社のものとして健全に処理しているのかはわからないけど、逆に信頼できるような気がする。


だって、一千万円以上の高級車を乗り回して、百万円以上の腕時計やブランドバッグを持ち歩いている人よりも庶民の味方って感じがしない?


個人的にはそう思う。


「さあ、そろそろ行こうか。」


「うん。」


遥香を車に乗せてエンジンをスタートさせる。


新車で買った国産SUVで、実は隆人兄ちゃんと同じ車だったりするのだ。


エンジン排気量が二種類あって、俺が乗っているのは小さい方だから車格の割には安く買えた。


かなりの人気車種だから街中でもよく見かけるのだけれど、今後は遥香も運転することになるし、もっと小さい車でもいいかなと思ってる。


ただし、まだローンが残っているんだよなぁ。


買った時は独身だったし、遥香といずれ結婚するなら家族と乗れる車がいいと思って選んだけど失敗だった。


車としては文句なしだけど、遥香が運転することを想定していなかったのである。


結婚前の彼女は実家住まいで、お母さんの車をたまに借りて使っていた。


車は軽自動車だったから、俺の車を見て「大きすぎて無理」って運転するのを拒否している。


まあ、3ナンバーだしね。


というわけで、今日はそのことも隆人兄ちゃんに聞いてみようかと思っている。


「車のことなんかわかんねぇよ」って言われたらどうしようかと思いつつ、隆人兄ちゃんなら何でも知ってそうだからダメもとで聞いてやろう。




「リセールバリューのいい車は、買取額で残債が消せるものが多い。俺もそれが目的であの車を買ったからな。」


到着して早々に車の話をすると、隆人兄ちゃんからそんな言葉が出た。


「隆人兄ちゃんもローンで買ったの?会社名義の車だと思ってたよ。」


車をリースで買うと、経費として計算しやすいって聞いたことがあった。


「それもひとつの方法だけど、俺は通勤とプライベートで使うだけだからな。公私混同は避けたかった。あと、ローンじゃなくて現金一括で買ったぞ。表現がややこしかったな。リセールバリューの良い車というところが俺の購入対象だったわけだ。」


あ、そうなんだ。


そりゃあ、稼いでいるもんなぁ。





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