第6話:誰が妹か?。
「うん・・・妹」
「あの・・・金髪の妹さん?・・・日本人じゃないみたいだけど?」
「妹って言っても腹違いだし、少し前まで外国にいたから・・・今は日本に
帰ってきてるんだ」
「で、俺、調子悪いから、悪いけど来てって・・・」
「本当に妹さん?」
「本当だって・・・」
「悪い、僕まだ本調子じゃないから・・・悪いけど今日は帰ってくれる?」
「今さっき、よくなってるって言ったじゃない?」
「え?そうだっけ?・・・とにかく今日は帰って、ね?」
「ごめんね、元気になったら休みの日にデートしよう」
「うん・・・分かった」
「じゃ〜大丈夫ね・・・私、帰るね・・・なにかあったら連絡して」
「じゃ〜ね、またね、バイバイ」
「あ、次野君の妹さん・・・リュカさん、お邪魔しました」
「ほんとに海外にいらしたの?」
「天界だわよ・・・まじで」
「天界?・・・次野君・・・天界って?」
「聞き違いだろ?・・・天界じゃなくて海外って言ったんだよ」
「あ〜そうなんだ・・・ふ〜ん」
「じゃ〜私帰るね、お大事にね、早くよくなってね」
そう言って愛川は帰って行った。
あ〜ヤバいヤバい・・・まさか愛川が訪ねて来るとは・・・。
よく考えたらありえることだった。
一応愛川とか付き合ってる仲なんだから・・・。
「誰が妹か?」
後ろを見たら腰に手を当てて僕を見てるリュカちゃんがいた。
「え?聞こえてた?」
「私、いつからバンちゃんの妹になっただか?」
「あ〜いやさ、そうでも言っとかないと女の子と同棲してるなんて今の子や
クラスや学校に知れたら、なにかとマズいだろ?」
「まだ未成年だし・・・」
「だから妹だってことにしたんだよ、身内なら大丈夫だからね」
「バンちゃん誤魔化すの下手ね・・・もしかして」
「な、なにも誤魔化してなんかないし・・・」
「同級生の女の子が心配だからって、わざわざ見舞いに来るか?」
「今の子とどういう関係なんだかわ?」
「どうもこうも・・・同級生の女子・・・それだけ、神に誓って」
「まあバンちゃんの人生はバンちゃんの持ち物だから、私が口出しする
ようなことじゃないてと思うけどが・・・だけど、もし誤魔化されてたりウソ
つかれてたらとっても悲しいだわ・・・たしかに」
「私に内緒で、さっきの子と付き合ってるだか?バンちゃん」
そう言うとリュカちゃんはその場にしゃがみこんで泣き出した。
「いや、いや、いや・・・泣かなくても・・・」
「そうじゃないから・・・泣かないでよ、お願いだから・・・」
「言い訳したりウソついたりしたら余計自分のお墓掘っちゃうだわよ」
「正直に話すだわ・・・ぜんぶ・・・なにもかも・・・すべて」
「分かった・・・話すよ・・・」
いけないことすると必ず神様は、ちゃんと見てるんだ。
で、言い訳して結局つじつまが合わなくなる・・・。
愛川とのことをリュカちゃんに話したら僕を許してくれないだろうな。
もうおしまいかな・・・自業自得だよな・・・。
リュカちゃんは俺を見捨てて天界へ帰っちゃうのかな・・・パンツ返さなきゃ
いけないのかな・・・返したくないな〜。
つづく。
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