第5話:よくある言い訳・・・僕の妹。

で、次の日、学校で愛川に「ごめんね、付き合えない」って断ろうと思った。

けど、彼女に「おはよう」って言われたら言えなくなった。


向こうは僕と付き合えるって喜んでるのに、付き合えないなんてそんな可哀想な

こと言えるわけないだろ?

ましてや愛川だぞ・・・クラスの男どもの憧れだったりする子だぞ。

愛川の告白を断ったなんて他の男子に知れたらなんて言われるか・・・。

僕は明日から最低男に成り下がっちゃうよ。


まあいいんだ、最初に思ったように絶対、愛川をアパートには連れて行かなきゃ

いいだけのことだろ?

学校でだけ愛川とうまくやればいいんだ。


そんな訳で僕は二股かけてしまうことになった。

僕の彼女になった愛川は学校からの帰り僕と一緒に帰ることになった。


でも隠し事やウソはつけないもんだって僕はその後、実感することになる。


ある日、僕は体調を崩して学校を休んだ。

たぶん風邪だと思うんだけど・・・。

学校へも病院へ行くのも面倒で家でおとなしく寝てたら治るだろうって思ってた。


リュカちゃんの美味しいお粥さんと献身的ヒーリングによって熱は下がったけど、

それでもまだ学校へ復帰できるほど回復するにはまだ、一日二日くらいはかかり

そうだった。


で、その日の夕方のこと。

僕の部屋の玄関ドアのチャイムが鳴った。

今頃誰って思っていたらリュカちゃんが訪問者に対応してくれた。


「あ・・・あ〜お邪魔しますぅ」


その声は愛川・・・・愛川だってすぐに分かった。

まずい!!


愛川はリュカちゃんを見て、なんで僕のアパートに女の子がいるのって、

この子は誰?って思っただろう。


「こんにちは・・・あの、次野君いらっしゃいますか?」


「うん、いるよ・・・寝てる・・・元気で」


まじでか?・・・めっちゃマズいじゃん。


「バンちゃん・・・同級生の女の子か?・・・訪ねて来てるだわ」


「あ、たぶんクラスの女の子だと思うけど・・・」

「俺が学校休んだから先生にでも言われて様子を見に来たんじゃないかな」


「部屋にお通していいか?」


「あ、いいわ・・・俺が玄関に出て行くから・・・」

「リュカちゃんは気にしなくていいからね、台所にでも行っててくれる?」

「すぐ帰ってもらうから」


だから僕は、ふらつきながら玄関にいる愛川のところまで行った。


「ごめん愛川・・・悪い・・・わざわざ来てくれたんだ?」


僕は彼女に手を合わせた。


「うん・・・次野君、学校休んだから、心配で?」

「大丈夫なの?」


「うん、大丈夫・・・心配いらないから、もう良くなってるから」


「あの・・・さっきの人は?」


「え?さっきの・・・俺の妹、リュカって言うんだ」

「その〜僕がこんなだから妹が看病しに来てくれてるんだ」


「妹?・・・妹さんなの?」


つづく。


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