第4話:リュカちゃんの気持ち。

まあ愛川をアパートにさえ呼ばなければいいだけの話か・・・来たら絶対

誤解するよな・・・俺のアパートに女の子がいるんだから。

天使が俺の世話をしてくれてるだけだって言ったって誰が信じるんだよ。


俺に愛川って彼女ができたってこととリュカちゃんとは今のところ関係ないこと

だよな?・・・あれ?

って言うか僕はなにをビビってるんだ?


俺の後ろでリュカちゃんが包丁を持って立ってる?ってか?


実は僕、リュカちゃんの僕に対する気持ちにとっくに気付いてるんだけど、僕が

ちゃんと意思表示してないだけでリュカちゃんに彼女に、恋人になってって打ち

明けたら即、オッケーしてくれるだろう。

だいいち、いくらご奉仕って言ったって好きでもない男といるって、それは無理が

あるだろう?

好きだから、一緒にいるんだろ?


いいじゃん、この機会にリュカちゃんの僕に対する気持ち確かめておいたほうが

いいよな。

学校から帰った僕はさっそく彼女に聞いてみた。


「あのさ、リュカちゃん・・・君、僕のことどう思ってる?」


「どう思うもなにも私、バンちゃんのこと大好きだわ」


「おう〜どストイレートだね」


「あのね、バンちゃんが私のパンツ持って帰った時からご奉仕はじまったけど、

それは私がバンちゃんを好きになったってことと同じことだわ」


「パンツ持って帰ったってだけで?」


「パンツはひとつのきっかけにすぎないだよ」

「だって好きでもない人にご奉仕なんてできないんだわ・・・たとえば」


「理屈だな・・・ごもっとも」


「私の気持ちはっきりバンちゃんに言ってなかったけど気付いてくれてると

思てたけど・・・」


「うん、それは気づいてたよ、とっくにね」


俺はめちゃめちゃ、複雑だった。

愛川とのことがあるから・・・。

好きじゃないって言われてもショックだったけど、これってマジで本物の愛じゃん。


どうすんだよ愛川のこと。

マズいよ・・・今さら愛川にごめんなんて言えないし・・・。

付き合ってもいいよって彼女に言った時の愛川の嬉しそうな顔を思い出したら断る

なんてそんな可哀想なことできないだろ?・・・」


困ったな〜・・・どうしよう?

僕って不器用だから、いずれ愛川のことはリュカちゃんにバレるよな。

二股なんかかけられないし、ましてや浮気なんて・・・。


断ろう・・・明日、愛川にはごめんって言おう。

だって二兎を追うものは一兎も得ずって言うじゃん・・・。

愛川はまあ、しかたないとしてもリュカちゃんは絶対失いたくない。


パンツの重みがここに来て効いてきた。

パンツのぶんだけリュカちゃんに軍配があがっちゃうよね。

あと基本的に俺、エッチい外人の女の子好きだし・・・そこは譲れないんだよな。


つづく。










  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る