第3話:クラスの女子から告られる。

たこ焼き屋「えっちゃん」の前のベンチで空から降って来た女性モノのパンツを

拾ってアパートに持ち帰ったことで、超絶可愛い天使が僕のアパートに訪ねてきた。

超絶可愛い・・・それだけでお近づきになりたくなるよね。


彼女の名前は「リュカ」って言う。

ちょっと日本語に難あり・・・まあ天使って洋だからね、日本語がおぼつかないのは外人だからだと思う」

「まあ、見るからに髪も金髪でチャーミングでキュートだし・・・」


僕がリュカちゃんのパンツを持って帰ったことで、彼女からご奉仕を受けること

になった。

天使は自分の持ち物を誰かが保護してくれた時点で、保護してくれた人にご奉仕しなくちゃいけないらしい・・・誰が決めたんだろうね。


リュカちゃんが僕のアパートに尋ねて来てから、そのまま僕のアパートに居座って、ご飯を作ってくれて掃除して洗濯してくれたり甲斐甲斐しくお世話をしてくれてる。


けど、僕にベッタリってわけでもない。

僕は彼女を束縛してるわけじゃないからね、彼女はいつでも自由だから。

だから彼女は時々、天国へも帰ったりする・・・向こうでの生活もあるんだろう。

僕はそんな棚ぼたみたいな幸せな日々をウハウハで送っていた。


ところがある日のこと、アパートにリュカちゃんを残して学校へ登校して

いた時のこと、僕はクラスの女子「愛川 羅夢音あいかわ らむね」から付き合ってほしいって

告られた。


およよな出来事・・・。

世の中は皮肉なもんだ・・・高校に入学して以来、僕は誰からも告られたこと

もないし、ましてや彼女なんていなかったのに・・・。


愛川 羅夢音あいかわ らむね」って言えば、成績優秀な上にビジュアル

だってクラスでも五本の指に入る。

愛川は男子にだってモテる・・・そんな子がなんで僕なんか・・・。


だから聞いてみるよね。


「僕のどこがいいの?」


って・・・。


「他に僕よりいい男いくらでもいるでしょ?」


って・・・。


そしたら、俺は愛川のタイプなんだそうだ・・・うん、それならしかたない。

じゃ〜なんでもっと早く、告白してくれなかったの?って聞いたら。

今まで告る勇気が出なかったんだってよ。


まあ女子から好きですって言われてイヤな気はしないし、せっかくのチャンスを

棒にふるバカもいないだろう。

だから僕は愛川の「付き合って」って申し出を喜んでオッケーした。


だけど・・・だけどリュカちゃんがいることを忘れていた。

愛川に告られたあと、すぐにリュカちゃんのことが脳裏に浮かんだ。


実はリュカちゃんが僕のこと好いてくれてることは薄々感じてるんだ。

ただパンツがらみで僕の世話をしてくれてる訳じゃなくて、たしかにリュカちゃん

の言動の端々に僕への愛を感じる。


そのへんリュカちゃんはどう思ってるか一度確かめてみないと・・・。

そうじゃないと愛川と付き合えないよ。


つづく。


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