第5話 私影密くんと友達になれてよかった!!
「ここは?」
「ここはね、たこ焼きチェーン店の銅タコ!!」
朝比奈さんと僕はとても人気なファストフードたこ焼き店……銅タコの前に足を運んだ。
……とは言っても僕は朝比奈さんの後ろをひっそりとついて行っただけなのだが……
「さぁ! 入ろうか!!!」
「……うん」
僕と朝比奈さんは銅タコの店内の空いている席にゆっくりと腰を下ろす。
「いや〜いい匂いだね! 影密くん!! さて! じゃあ、たこ焼き! 頼みに行かない?」
「うん……」
僕たちはたこ焼きを注文するためレジにできてる行列に並んだ。
「今日混んでるね……まぁ休日だからか……!」
そう朝比奈さんは淡々と混んでいる理由を分析して独り言? を呟いた。
まあ、もしかしたら僕に話しかけてくれていたのかもしれないかもだけど……
それから僕たちはレジでたこ焼きの買い物を済ませて、たこ焼きを受け取りさっき座った席へと戻った。
「あ、影密くん! それ……てりたまでしょ! 美味しいよね! てりたま!!」
僕は朝比奈さんにそう言われたが反応できなかった……それはさっきからふすふすと湧いてくる疑問……
朝比奈さんはこんな僕といて楽しいのだろうか?
もしかしてさっきから無理をしているんじゃないだろうか……
僕はさっきからそればっかりが頭をめぐりそれどころじゃなかった……
「……朝比奈さんはさ……なんでこんな僕を友達だと言ってくれるのかな?」
僕は思ってることを口にしてしまったと焦って口を閉じる。
なんで僕……口に出して……
「そんなの……楽しいからに決まってんじゃん!!」
「え? 楽しい……?」
「だってさ! 今までイエローダンジョンの話する友達とかにいなかったし! それに影密くんわたしの他愛もない話も真剣に聞いてくれるし! 私影密くん友達になれてよかった!! この学校に入学してきてよかったよ〜!!」
僕はその朝比奈さんの一言で今まで僕の周りにふすふすと湧き上がる考えが吹き飛ぶような感じがした。
まあ、その……この学校に入学してきてよかったって……それは流石に大袈裟だと思うけど
でも、朝比奈さん……僕といて楽しいんだ……
「あ! 影密くんが笑ってる! 写真撮っていい? 私スマホの待ち受けにする!!」
「え? ちょっとやめて……僕なんかを待ち受けにしたって意味ないよ……」
「なんでよ! いいじゃん!! こっち向いて!」
「……恥ずかしいよ」
「へへ!! いいじゃん!!」
銅タコの店内の中の一つのテーブルには二人の男女がとても嬉しそうで楽しそうな……そんな笑顔を見せていた。
「影密くん! お腹も膨れたことだし! 気晴らしにゲームセンターに行かない?」
ゲームセンターか……思えば僕は……もうゲーセンは確か一年間も行ってないな……
「うん! 行こうか……」
そう言って僕と朝比奈さんはゲームセンターに向かって歩き始める。
僕たちが今から向かうゲームセンターはマニメイト近くにあるここら辺では一番大きなゲームセンターだ。
とは言っても、僕はこの辺にあんまり来たことがなくて……銅タコ同様に僕は「レッドクエスト」というゲームの勇者の後ろをついていく仲間のように朝比奈さんの後をついていくだけなのだが……
「はい! ご到着ー!!」
「ここが?」
「うん! そう!! ゲームセンター!」
「でかっ!」
僕は思わず声を上げた。
目の前にあるゲーセンの建物が僕の想像上の三、四倍大きかったからだ……
こんなにどでかいゲーセン存在したんだ……
僕たちはゲーセンの中に入るといろんなゲームから賑やかしい音が聞こえてくる。
懐かしいな……この感じ……
一年も行ってないと流石に、この感じにすごい懐かしく感じる……
やばいなんか泣きそうになっちゃった……
みんなただいま……
「あ! エアホッケーじゃん!」
すると朝比奈さんはそう言ってエアーホッケーの台がある所に進んで行った。
ゲーセンのエアホッケーとは……
二人のプレイヤーが台上の円盤を打ち合って、ゴールに決めたり決められたりする対戦ゲームだった……気がする……
「影密くん! これやろうよ!!」
「え? いいよ……」
すると朝比奈さんは百円をエアホッケーに入れる……するとエアーホッケーからパックが出てきて僕たちはパックを打ち返すためにマレットを手に持った。
「負けないからね!!」
「うん……!」
結果は僕の惨敗だった。
朝比奈さん強すぎでしょ……
「えへへ! 私の勝ちだ!!」
「強いね……朝比奈さんは……何というか、ゲームのラスボスみたい」
「ふふふ! なによそれー! 私がラスボスならあなたは裏ボスね!! だって影密くん……わたしよりイエローダンジョン強いから! 私がラスボスだったら私より強い君は裏ボスだよ!!」
「うら!? 裏ボス……裏ボスか……」
朝比奈さんとの勝負は僕の負けだったが……なんだか朝比奈さんと勝負するととても楽しい……そう思えてきた。
「次……あれやらない?」
「パープルカート……」
朝比奈さんが僕に言ってきたのは「パープルカート」のアーケード版だった。
てか、僕はアーケード版が出ているなんて知らなかった……僕は驚きを隠せなかった。
パープルカートとは、家庭用ゲーム機で一線を隠す人気を誇る対戦レースゲームである。
僕と朝比奈さんはパープルカートアーケードの台についている座席に座った。
「負けないよ!! 影密くん!!」
「僕も!!」
僕と朝比奈さんは百円をアーケードに入れてゲームをスタートさせた。
僕は家庭用ゲーム版しかやったことがなかったので朝比奈さんにやり方を教えてもらいながらゲームスタートを待つ。
そして、今パープルカートでの勝負が幕を開けだ。
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