初雪

秋雨ユノ

『初雪』

初めて君に出会ったのは12月だった

小学生の頃病弱で入院していた僕はやる事もなくただ病室の窓から見える景色を傍観していた

お見舞いに来た人々枯れて落ちて行く木々を見ながら退屈な日々を過ごしてた

そんな時に君に出会った

僕が着ている濃い水色の病院服と違い空の色を含んだ淡い水色を纏った君は天からの贈り物だと感じた

一目で好きになった

そこからは君が来る日は君を目で追いかけ君がいない日はただ空を眺めた

君の事をもっと知りたくなり窓から君が来ているのを見かけ病院から抜け出し君の元へ駆け寄った

幼かった僕は急いで駆けつけ上がった心拍数のまま興奮して君を窓から眺めていた事を伝えた

君は冷たくも温かくもあり全てを包み込んでしまいそうなのを感じた

そして僕が興奮したまま話す話を静かに聞いてくれた

色々話をし最後にまた君に会えるかを聞いた

冬が終わる頃に会えなくなると君の余命を聞いた僕は君が来る日は雪だるまやカマクラを作り寒いのにアイスを食べ笑ったりもして君が居なくなる前に少しでも思い出を残そうといつか来る別れの悲しみを押し殺し君と過ごした

少しづつ君に会えない日々が増え恐れていた君との最後の日を迎えた

君は今にも消えそうな状態でそこにいた

『春も夏も秋も冬もあなたを見守っています』

今度は僕が静かに君の話を聞き溶けて消えてしまいそうな君の手を取り最後を迎えた

最後の君は冷たく真っ白でまるで初雪のようだった。

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初雪 秋雨ユノ @akisameyuno

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