閑話 3
インタビュワー:
──ありがとうございます。
いや今回のお話も、何と言いますか……。
葉子:
我ながら、荒唐無稽な話とは思います。
インタビュワー:
ああ、いえいえ、そんなそんな……。
葉子:
私だって、ひとから聞いた話なら信じないと思います。
これが事実だということは、本人にしかわかりませんもの。
インタビュワー:
……ええっと、すみません、いくつかお聞きしたいのですが。
葉子:
はい。
インタビュワー:
カシマさん──あ、本物の方の──とは再会されたんですか?
葉子:
ああ。いえ……残念ながら。
インタビュワー:
会おうとは、されなかったのですか?
葉子:
そうですね……特には……。
インタビュワー:
逆にカシマさんの方から連絡は?
葉子:
さあ……。
インタビュワー:
……ありがとうございます。
その後は娘さんの、その、施設の方で?
葉子:
ええ、そうです。三年間くらいですかね。
それくらいの間は住み込みの用務員のような感じで。
インタビュワー:
用務員、ですか。
葉子:
娘……花子は、私に働かなくて良い、と言いましたが。
まあねえ、そんな、ねえ、なかなかそうはいきませんよね。
インタビュワー:
それで……そこで、また、神隠しに?
葉子:
……はい。ただ今回は……今までとは少し違いまして。
インタビュワー:
と、言いますと?
葉子:
あの、私……異界──別の世界への入口というものは、皆さんが思っているよりも身近にあるものなんだ、と思います。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます