第28話 バンドといえば……
「マイハニー! 今日も美しいよ!」
「はい、はい。ありがとうね、
いつもの調子で求愛行動をしていく
「おはよう」
少し遅れて
「またやってるのか。飽きないな」
「
今日もいつも通り、ライブ配信をしていく。
一次予選終了まで後二ヶ月。他のバンドたちの競争率は激しくなっており、
「まぁ、あれは焦ったけどな」
「あぁ、まさか三日ほど配信しなかっただけで、あれだけランキングが落ちるとは……」
その努力のおかげもあり、
一次予選突破の条件は上位百位に入ること。その目標までもう少しのところまで迫っていた。
「でも、あれは焦った。お前のせいで危うく俺たちまで危険になるところだったんだぞ」
「なんだよ。僕、何も悪いことしてないだろ?」
「そんなことねぇよ。あれは、完全にお前が悪りぃ」
一週間前、
「
学校が終わり、
「マイハニー、今日も美しいよ。僕の希望」
その男──
招かれざる人物。それが
昨日の出来事を全て話す。
当然の報いだった。
いくら、
「
「チッ、しゃーない。よろしく」
素直に加入を認める
「それより、出遅れた分取り戻そうよ!」
「確かにな」
ライブ配信が開始され、リスナーは
『待ってました!』
『
『
様々なコメントが飛び交い、いつも通りの賑わいが繰り広げられる。
「今日は新メンバーの紹介をしたいと思います! ベースを担当してくれる
ファンとしても新メンバーが入り、
「初めまして! マイハニーに紹介された
『マイハニー?』
『馴れ馴れしいぞ!』
『
いつもの
コメント欄同士で喧嘩も
「ちょっと、待って! 喧嘩はやめて! みんな楽しくね」
暴走するリスナー達を抑えようとしていく
それどころか、リスナー同士は
そんな時、古参リスナー、インドア・ホワイトがこの空気を壊そうと、コメントをくれる。
「それよりも、あてぃし思ったんですけど、スタープロジェクトの途中でメンバーが増えるのは問題ないんですか?」
「そういえば、そこんところ忘れてた! どうしよう!」
インドア・ホワイトに指摘され、
「確か、運営に申請を出せば問題ないって大会規定にもあったはずだ」
「本当に!」
「あぁ、
「よかったー」
「じゃあ、最後にライブしよ!
『うぉぉぉぉぉぉ!』
ここからはお待ちかね演奏パートだ。
ベースが加わり、前の自分たちとは違う音色を奏でられるということをリスナーにアピールする。
全員が所定の位置についた。
今回は試行錯誤のため、
完全なバラード調。
曲自体は、
極めつきは
サビに入り、少しだけ盛り上がり、心の奥底にある感情が爆発しそうになる歌だ。
今までと違い、ベースが加わり、低音部分が補完されている。それが、他の楽器の音色をカバーし、一つ上の演奏レベルへと昇華されている。
最後はゆっくりとしたメロディで終わる。余韻を残せるような構成にもしてあり、何から何にまで計算された曲だった。
リスナーから称賛が飛び交う。
昔からのファンは、
「ありがとう! 今日はここまで! みんなまたね!」
今日もなんとか配信を終えれたが、やはり疲れがどっと出てきた。
それは他のメンバーも同じらしく、すぐに日常モードに移行してしまう。
「今回もポイント増えるといいが……」
「大丈夫だよ! あれだけすごい歓声だったんだよ。絶対大丈夫だって!」
「
それでも、彼女の陽気で明るい性格は羨ましいと思う
しばらく、四人で話をしていると……
「そういえばさ、今度、
「いいね! さすがハニー。天才だよ!」
「ちょっと待てよ」
呑気な
「何?」
「何って……
「うん、うん」
「二人でやらなきゃいけなくなる。もし、他の助っ人を使おうと思ったら……ライブ配信はできない」
「えっ!」
思わぬ事を
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