第2話 私はスイマー

 水泳選手の飛び込みのようにベッドから飛び起きると、バタバタと着替え出す。そう、私は華麗なスイマー。白鳥は水面下では忙しないものなの!

 「あきら!あんたご飯は!」

  「いらない!遅刻する!」

 アイロンで前髪を伸ばしながら返事をする。鏡を見ながら整える余裕はない。ホームルームは8時35分から、ダッシュで漕げば行けるか、、、、!?いや、だめだ。このままでは間に合わない!かくなるうえは、、、

 「あきら!行儀悪いわよ!」

 「うるせー!」

 片手でアイロンをしながら自転車を漕ぐと言う離れ技を披露する。背後からは遠くなる母の声。

 「女子高生はミリ単位で生きてるんだよ!時短に命かけないでどうする!」

 光を追い向いて学校に向かう。一条の閃光と化した私は、小指に絡みついた青い糸に気づかなかった。


 

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