3話 大地に立つ者
星間企業アストレアグループ
数十もの星系を資産に持つ巨大
本社を星系エルメスに構えエルメス周辺の星系を勢力圏としている。
元々持っていたとされる星系を含めると今までに開拓されてきた星系の約三割を有していた…のだがライバル
これによりアストレアグループは
これを売った事を契機にこの
惑星エルトリアと名付けられたその緑豊かな惑星はとある個人によって権利が落札され、史上3番目の
そしてこれは惑星エルトリアに降り立った一人の
『目標惑星エルトリア、周回軌道に到達、
特徴的な電子音声が船内に響く。
『長距離航行小型惑星入植船ヘルメス大気圏突入開始、地表までおよそ60秒』
ゴゴゴと轟音を響かせ大気圏突入の為に長距離ブースターを切り離し
宇宙船の窓を可動式の強化プレートで覆い衝撃に備える。
「強化人間※※※※※、脳内管理デバイス起動しました。」
『大気圏突入終了』
赤熱化した装甲板が冷たい空気によって急激に冷やされていき、窓を覆っていた強化プレートが装甲内に収納される。
地表まで数十メートルの地点で着陸用アームを出すヘルメス
『着陸態勢に移行』
『地上に到達、現在惑星内大気収集中……大気中に毒性物質の存在は確認出来ず、人類種の活動に問題無し。周囲に敵性生物の存在は認められず。』
周囲の探査を終えたドローンがドローンホールドに帰還すると
『行ってらっしゃいませ、マスタークリス』
クリス、そう呼ばれた少年は船の気密ロックを解除しエルトリアの大地に立った。
一歩
また一歩とクリスはエルトリアの大地に踏み出す。
進む足は震えていた。
「…此処が…エルトリア…此処が僕だけの星」
この自然豊かな星のすべてが自分の所有物であるという事実に震えていた。
今まで人口の大地、人口の空、人口の空気の中で生きてきた少年は自然という物に触れることは無く、自然という物を映像として見る事はあったが旅行に行ける金は無かった為生まれて初めての自然を前に立ち尽くしてしまったのだ。
その、あまりの美しさに魅了されてしまったのだ。
青い空、キラキラと眩い光を放つ澄んだ川、様々な花、草木の葉がカサ…カサ…と動く音。
「あぁ…良い…」
「凄く……良い…」
草の上に寝転がる。
青い空を見ながら目を閉じる。
今後暮らすことになるこの星の未来を、夢に描いて…
その姿をジッと監視する1人の少女の姿があった。
「…あれは…」
つづく
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