第4話 救援

「きもち、よく……?」



 リディアの声は、疑問と戸惑いが入り混じったかすれたものだった。その瞳は、催淫効果でとろんと濁りながらも、わずかに理性を保とうとする光を宿している。



「そうよ、リディア。とっても、気持ちよくなりましょう?それは生あるものとして、当たり前のことなの」


「当たり……まえ?」



 リディアは、まるで何かを確認するように、呟くように問い返してくる。彼女の瞳は迷いを含んでいるが、私の言葉が彼女の意識の奥底に深く染み込んでいくのを感じる。もう、彼女の抵抗は無意味だ。



「そう、当たり前」



 優しく、そう囁く。

 指先をゆっくりと彼女の首筋に這わせる。

 滑らかな肌の感触を楽しむように、私は指を耳の淵へとそっとなぞらせる。



「んっ、あっ……」



 感度が上がったリディアの肌。

 その白い肌が赤く火照って、感じていることを隠そうともしない。彼女の体が私の指に応え、まるで熱に浮かされているかのように、切ない声を上げる。


 彼女の肌は白磁のように美しく、その白さが一層赤みを帯びていく様子が、私の目にとても魅力的に映る。ピンク色に尖った乳房がこぼれ落ち、見惚れるほどスリムなウエストが露わになっている。その姿はまるで儚い花が、今にも散りゆくかのようだ。


 リディアが弱々しく閉じようとする膝を割って、私はその奥へと顔を沈めていく。起伏に富んだ青白い体を浅い呼吸とともに波うたせているが、私が顔を寄せていくと力ない動きで頭を持ち上げた。


 私は視線で笑って、内腿に口づけを落とす。



「怖がらなくていいのよ。優しくしてあげるから」


「はぁ……、ン……。私を、気持ちよく、して、くれるの?」

 


 問いかけに、行為で返す。

 リディアの太腿を撫で上げるように手を滑らせ、ゆっくりと開いていく。

 つるりとした下腹部が露わになり、顔を寄せていくと腿がわずかに外側に開いた。

 縊れたウエストから続くヒップはやや小ぶりできゅっと締まり、蠱惑的なラインを描いている。

 私に向けて開かれた脚の付け根にある、露に濡れたクレパスに唇を寄せる。リディアの内腿に手を添えて、私はその湿原に舌を這わせた。



「――ン、……はぁ……ぁ……」



 両の手を添えたリディアの吸いつくような肌の内腿が、もぞりと動いた。


 私はぴくぴくと指に軽く力を入れながら、涎ごとクレパスをべっとりと舌で撫であげると、今度ははっきりとリディアの脚が動く。潮の香りのする愛液とともに入り口をゆっくりとしたペースで撫でながら、小陰唇の襞を舌の表皮で掻きあげていく。


 リディアの悩まし気な吐息が、耳に届いた。もの欲しげに腰が捻じられるけど、私はペースを早めない。


 内腿に時おり手を這わせながら、父の仇とのキスを楽しむ。甘く唇を合わせ、そっと舌の尖端を淫核に押し付け、浅くなぞり、蜜を吸うと、クレパスは欲深く舌を求めて戦慄いた。


 でも、決して深いところまでは与えない。聖なる守りの手前、泉の浅瀬をゆったり掻き回すだけで、手は内腿の皮膚の薄いところを触れるように摩る。太もも半ばから上の、普段は人が触れないその場所への愛撫に、リディアは繊細に反応する。爪を立てるような立てないような指先にじれったそうに動くリディアの脚に目を細めながら、泉を愛撫する舌をすこしだけ大きく動かし始める。



「身体が反応しているわよ、リディア。勇者様と私、どちらの愛撫がイイのかしら?」



 私は意地悪く囁いた。リディアの反応は、期待通りと言うべきか、苦しげに息を詰まらせながら返ってくる。



「ン、く……、はぁ……。んッ……ぅ、そんなこと、聞かないでぇ……」



 私の質問に答えたくないのは明らかだが、彼女の体は正直に反応している。

 裂け目の上端でぷっくりと膨れている肉芽に向けて息を吹きかけてやると、腿に添わせた手の平からリディアが息を飲んだ動きが伝わってきた。



「息を飲んだわね、リディア。あなたの身体は、正直ね」



 性的興奮を高めるためのみに特化したといわれるその器官は、ぴんと立ち上がって蓄えた快楽の大きさを主張している。


 私はそこには触れず、ぴちゃり、ぴちゃりと子猫がミルクを舐めるように割れ目をなぞり続ける。


 リディアがそこに触れられるのを待っていることをも分かっていたし、私が待たせていることをリディアも分かっていた。どちらが今、主導権を握っているのか分からせるように、私はリディアの浅瀬に丹念に口づける。



「あ……ン、ぁ……、っく……っ。焦らし……ちゃっ……ぁ……、ン」


「ちゅぱ、ン……。切ない? リディア」


「ふ、ぅ……、はぁ……、あっ、胸っ……ぁっ、……っ……」



 腿をまさぐっていた片手を滑らせ、蠱惑的な稜線を伝っていく。ぷりんと上を向いた胸の先端に手を掛けると、さっきの唾液が残る硬いシコリをきゅっきゅっとひとさし指で回してやる。刺激に飽きることができないよう、胸の尖りに強弱のアクセントをつけて摘まみながら、ざらざらした舌の表皮を這いのぼらせていく。


 小さな体を膨張させた陰核の根元に舌を添えて、注意深くそこだけを触れないように毛づくろいするかのような丹念さで周りを舐め上げていく。リディアの呼吸が、はっ、はっと浅く切ないリズムに変わるのを頭上に聞きながら、充血した尖りに近づいたり、通り過ぎたり。


 欲しくない時に快楽を与えられ、欲しい時に与えられないリディアの細い身体が、静まることも燃え盛ることもできないまま生焼けのように炙られ続けて色づいていく。



「――ぁっ、……ぁっ、……は、ぁ…ン…っ。ア、アル……、デュスっ……」


「――あらっ、名前で呼んでくれるのね。なぁに?リディア。もう限界なの?楽しいのは、これからよ。」



 一度顔を起こして視線を合わせると、頭の上で腕を拘束されたリディアが眉を下げてこちらを見ていた。羞恥心と情欲の狭間でねだることもできず、瞳を濡らしながら快楽に抗うリディアの顔がそこにあった。

 私はくすっと喉を鳴らす。


 心の底で屈服し始めているのが感じられる。彼女の秘裂を守る聖なる障壁が、徐々にその力を失っていくのがはっきりとわかる。もう少し、あと一押しか。



「大丈夫よ、リディア。何も一回の行為で孕むなんて、そうあるわけじゃないわ。だから今日あったことは、すべて忘れてしまえばいいのよ」



 私は甘く囁きながら、彼女の抵抗が無意味であることを伝える。そして、さらに優しく説得するように言葉を重ねる。



「もう少しだけ私を受け入れて、本当のあなたを見せて?そうすれば、貴方は真の快楽を得ることができるわ」



 そう言いながら、私はリディアの胸に舌を這わせた。その舌先が彼女の肌を撫でるたびに、リディアの体がかすかに震え、胸元から熱がこみ上げてくるのを感じる。その繊細な反応が私の手の中で花開いていくのがわかる。彼女は抵抗しようとしているが、その声はすでに震え、力を失っていた。



「だ、だめ……そんなこと、できな、ぃ……」


「強情な聖女様。でもね、貴方の心は正直みたいよ?ほら――解けたわ」



 唾液と愛液でぬるぬるに濡れた際口を指でゆっくりと撫でた。リディアの体が反射的に震え、その震えが私の手に心地よく伝わってくる。彼女の最後の抵抗が、今まさに崩れ去ろうとしている瞬間を、私はさめた視線で見つめていた。



リディア。あなたの聖なる守りは、もう無意味よ。」



 その言葉と同時に、秘裂に指を差し入れる。

 彼女の体が再び跳ねるように反応し、彼女の抵抗がどれほど無力であったかを改めて感じ取る。リディアの体は、すでに私の手の中で屈服していた。



――さて、これで始められる



 そう確信した瞬間、突然、異質な気配が空間を切り裂いた。

 音すら伴わない斬撃――いや、それは斬撃と呼ぶにはあまりにも鋭利で、そしてあまりにも速い。


 空間そのものを切り裂いたその一閃は、目で追うことさえ難しいほどの速度で放たれたものだった。刃の軌跡すらも見えないその斬撃が、私の周囲の空気を揺らし、部屋の中に亀裂を生じさせた。




―――――――――――


 あとがき


 さあ勇者の登場です!アルデュスさんどうするのでしょうか?!


 楽しかった、続きが少しでも気になる思われましたら⭐︎⭐︎⭐︎評価や作品フォローをどうぞよろしくお願いします!




⭐︎⭐︎⭐︎は最新話下部、もしくは目次ページ下部の「星で讃える」から行って下さい。⭐︎⭐︎⭐︎だと嬉しいです〜!


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