第2話 防淫

「私の子を孕んで、リディア。」



 微笑み交じりにそう告げると、私は彼女のショーツに手を伸ばした。

 その瞬間、リディアの瞳に恐怖と絶望が入り交じり、身体はまるで凍りついたかのように動けなくなる。しかし、その静寂を打ち破るように、私は穏やかな声で話を始めた。



「リディア、あなたは知っているかしら? 私たち魔族と人間がどうしてこんなにも長い間、争い続けてきたのかを……」



 彼女のショーツに触れた手をゆっくりと引き戻し、私はその手を背後に隠しつつ、彼女の顔に浮かぶ恐怖と疑念を楽しむように見つめた。リディアの表情に浮かぶ不安と混乱、そのすべてを噛み締めながら、私は話を続けた。



「遥か昔、この世界がまだ若く、すべてが曖昧だったころ、人間と魔族は互いに干渉することなく、それぞれの領域で静かに生きていた。人間は光の神に導かれ、繁栄を享受し、都市を築き上げたわ。一方で、私たち魔族は闇の中で生き、影の中で息を潜めていたの。光と闇、昼と夜……それぞれが互いの存在を尊重しつつも、決して交わることはなかった。」



 私はそこで言葉を切り、リディアの瞳をじっくりと見つめた。彼女は息を詰まらせ、私の言葉に耳を傾けるしかない状況に追い込まれている。その様子を見ながら、私はさらに話を続けた。



「しかし、人間は欲深い生き物。自らの領土を広げ、光を世界の隅々にまで広げようとした。だが、光が広がると同時に、私たち魔族の住む闇が押しやられていく。私たちの存在そのものが、光の侵略によって脅かされるようになったのよ。私たちは反撃を余儀なくされたわ。闇の王、つまり私の父が魔族を一つに纏め、そして、人間たちとの戦いが始まった。」



 リディアは目を伏せ、唇を強く噛みしめていたが、私はその彼女の表情から目を離さず、さらに話を続けた。



「私たちの戦いは、ただの生存のためのものだった。光と闇は本質的に相容れない――それは誰よりも、私たち自身が理解していたわ。でも、そんな中で、光の神は人間に救世主を与えた。それが、勇者セリオスと、あなた、聖女リディアのことよ」



 リディアの瞳に、一瞬の光が宿る。それは、かつての戦いと栄光の日々を思い出すかのような、複雑な感情が混じった光だった。



「セリオスとリディア、あなたたちは人間たちの希望を一身に背負い、私たち魔族と対峙した。あなたは神聖な力で私たちの軍勢を次々と打ち倒し、セリオスはその剣でついに私の父、闇の王を討ち果たした。父上は滅び、私たち魔族は敗北した……そしてあなたたちは、栄光を手にして凱旋したのよ。」



 リディアの顔に苦悩の表情が浮かぶ。彼女の記憶が、過去の戦いを鮮明に呼び起こし、その代償の重さを思い出させているのだろう。その表情を見て、私はさらに冷酷な笑みを浮かべた。



「そう、あなたたちは勝利を手にし、平和を取り戻した。そして、セリオスとあなたが婚姻を結び、新たな時代を築こうとしていた……だが、その一瞬の隙を、私が見逃すわけがないじゃない。」



 聖女の瞳が再び恐怖に見開かれる。その表情に、私は確かな満足感を覚えながら言葉を続けた。



「あなたたちが勝利の余韻に浸り、安心していたその瞬間に、私はあなたをさらったのよ。あの脳筋勇者が油断したその隙をついて、私は計画を実行した。そして、こうしてあなたはここにいる。」



 リディアの瞳には、怒りと絶望が混ざり合い、その感情が彼女の中で渦巻いているのが見て取れた。



「でも、リディア、闇の王の力はまだ滅びてはいないのよ。でも、この力を継承するためには、ふさわしい肉体が必要だった。そして、その器をこの世界に生み出すために――あなたが必要なの。」



 リディアの表情が一層険しくなる。その顔に、恐怖と絶望がありありと浮かだ。彼女は、この言葉の持つ意味を完全に理解したのだ。



「だから、リディア、あなたには選択肢はないのよ。あなたが父上を討ったのだから、今度はその罪を償う時が来たの。あなたが生み出す新たな命こそ、新しい魔王の器となるのだから。」



 私は再び彼女に歩み寄り、冷たい笑みを浮かべたまま、彼女のショーツに手を伸ばした。リディアの全身が硬直し、恐怖に震えているのがはっきりと感じ取れた。彼女の絶望を一層楽しむように、私は冷たくささやいた。



「だから、あなたには逃れられない。私が、あなたに新たな運命を与えてあげる。今度は、私の子を孕んで、その身に闇の血を宿しなさい、リディア。」



 その言葉は、まるで避けられない運命を宣告するかのように冷たく響く。リディアの瞳は、まるでその言葉を聞いた瞬間に、すべての希望を失ったかのように暗く沈み込んでいく。もはや彼女の瞳には、かつての聖女としての輝きなど微塵も残っていない。その絶望の表情を、私は心から楽しむように、微笑みを浮かべたままゆっくりと動作を開始した。


 彼女のショーツに触れる。

 冷たい指先が純白の布地を捉え、その肌の上を這うようにゆっくりと滑り、徐々に布地を下へと引きずり下ろしていく。リディアの反応は、ただの沈黙――彼女の呼吸が少しだけ荒くなり、その胸が小さく上下する音が、私の耳には心地よく響いた。


 鎖に縛られた彼女の膝を、私は無理やり広げた。銀の鎖が微かに音を立て、その冷たい感触がリディアの肌に染み込んでいくのが感じ取れる。彼女の膝が開かれるたびに、彼女の体はほんのわずかに震えたが、それすらも私には甘美な震えとして伝わってくる。


 そして、純白のショーツがついに彼女の膝を超え、完全に取り去られた瞬間、私の視界にはまるで絹のように滑らかな肌が現れた。その肌は無垢で、どこまでも純潔でありながら、今まさにその清らかさを奪われようとしているのだと、彼女自身が理解しているかのように震えていた。


 私の目の前に現れた彼女の割れ目――その上の恥丘には、一本の毛すら生えておらず、ただ滑らかな白い肌が無防備に晒されている。まるでまだ汚れを知らない雪原のように、その肌は美しく、それゆえに無情な現実が一層際立って見えた。私はその光景をまるで芸術作品を見るかのようにじっくりと堪能し、ゆっくりと息を吐き出した。



「まるで童女のようじゃない。もしかして、これは勇者様の趣味で剃っているのかしら?」



 冷ややかな声でそう問いかけると、リディアの顔が一瞬、苦しげに歪む。



「セリオスにも、まだ見せたことないのに……」


「あら、初めてだったのね。でも、セリオスも大変ね。奥様が、初めて会った魔族の前で、もうこんなに蜜を垂らしているなんて」



 黒ずみのない、その無垢な秘裂から溢れ出す透明な雫が、まるで彼女の純潔が侵されることを予見しているかのように、静かに、しかし確実に滴り落ちていた。その光景に、私は手を伸ばし、その雫を指先で掬い取る。彼女の顔に近づけ、わざとゆっくりと、三本の指で引き延ばしてみせた。



「いやぁ……違うの……」



 リディアのか細い声が、かすかに震えながらも私の耳に届く。しかし、その声はまるで風に消える砂のように無力で、今の彼女には何の意味も持たない。ただ、無力な叫びが虚しく響くだけだ。



「あなた、こんなにも淫らだったのね。でも、それで良かったじゃない?これだけ濡れているなら、きっと痛みなんて感じないわよ……あの脳筋勇者に嗅ぎつけられる前に、さっさと終わらせましょうか。」



 冷ややかな声でそう囁くと、リディアの肩が微かに震えた。彼女が力なく恋人の名を呼んだところで、何の意味もないと分かっているはずなのに、それでも「セリオスぅ……」という掠れた声が漏れ出す。無力な祈りが耳に心地よい。それが無意味であることを、彼女自身が最もよく知っているというのに。



 膨れ上がった亀頭を、リディアの秘裂にゆっくりと押し当てた。彼女の体が小さく跳ねる。反射的に逃げようとする無意識の動き――だが、私の手はその細い腰をしっかりと押さえつけ、逃げ場を与えない。彼女の心とは裏腹に、体が快楽に反応してしまう様子が、何よりもたまらなく愉快だった。



「安心して、すぐに楽にしてあげるから。」



 微笑を浮かべ、先端を彼女の濡れた膣口に宛がった。愛液にまみれたその入り口は、彼女の心の叫びに反して、ドロドロに濡れ光っている。リディアの心がどうであれ、体はその現実に無力であることを受け入れていた。


 彼女の体が再び逃れようと身を捩るが、その腰がしっかりと捉えられている限り、どこにも逃げることはできない。彼女の絶望と羞恥が混じり合った表情をじっくりと楽しみながら、私は怒張を押し入れようと力を込めた――その時だった。



――カンッ



 やはりか。

 乾いた音が響き、私の動きが跳ね返された。リディアの秘裂には、淡く光る神気の防壁が現れていた。まるで私の侵入を拒むかのように、聖なる光が彼女を守っている。



「神聖魔法……」



 その言葉が、思わず私の口から漏れた。『封聖の鎖』の効果が及ばないところを見ると、これはリディアが攫われる前から常に張っていた防壁だろう。あのセリオスにさえも許さなかったその体――それが、今この場で最後の抵抗を見せている。



「だけど、これ、あなたなら解けるわよね?解いていただけないかしら?」



 優しげに語りかけるが、リディアの瞳は虚ろで、返事が返ってくることはない。彼女の心はすでに私に抗う力を失っているのが、はっきりとわかる。しかし、それでも体はまだ自らを守ろうとしている。彼女の内なる抵抗が、私には滑稽でしかなかった。



「仕方ないわね。少し手間はかかるけど、自分から解きたくなるようにしてあげるしかなさそうね」



 私は彼女の小さな鼻にそっと指を伸ばし、軽くつまむ。呼吸が突然封じられた彼女は、意識せずに口を大きく開けてしまう。まるで、窮屈な状況から逃れようとするかのように、無意識に口が開かれる様子は、私には予想通りの展開だった。


 その瞬間を逃すことなく、いきり立つ怒張を確実に押し込んだ。彼女の口の中へ、抵抗する隙すら与えないほど素早く、力強く。



―――――――――――


 あとがき。




 第2話をお読み頂きありがとうございます!次回本日20:04公開。ストローク回になります!初日は3話一挙投稿!お見逃しなく〜!





 楽しかった、続きが少しでも気になる思われましたら⭐︎⭐︎⭐︎評価や作品フォローをどうぞよろしくお願いします!




⭐︎⭐︎⭐︎は最新話下部、もしくは目次ページ下部の「星で讃える」から行って下さい。⭐︎⭐︎⭐︎だと嬉しいです〜!


↓目次ページ

https://kakuyomu.jp/works/16818093083473631892

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る