第2話 いいいの星
あれから、あああ、いいい、うううは絶え間なく詩を生み出し、世界に異常をもたらしていた。
AとBは、その都度現象をおさめる詩を書いていく。
「いいいから、☆来てますよ」
Aが言った。
今回の詩に対して、☆3をつけてきている。
「前回は☆1だったな。何が違うんだ?」
Bは前回の自分の詩を見直した。
Bの中学時代の国語の通信簿は3だ。
今回の詩も、何か工夫をして書いているわけではない。
「レビューくれればヒントになるかもしれませんね」
「嫌だよ。交流を持ちたくない」
「こちらからも☆を送りますか?」
あああ、いいい、うううの詩には、すでに4桁の☆が集まっていた。
詩と異常な現象には因果関係があるとみんな思っているが、仕組みが説明できないため、単なる詩としか評価することはできない。
実際に街が滅びて、人が亡くなり、絶滅した固有種がいても、だ。
その奇妙さと、明日は我が街が滅びるかもしれないという恐れが入り混じり、彼らは神と崇められ始めた。
彼らの詩にはたくさんのコメントがぶら下がっている。
その謎の力を讃える者、単なる詩として感想を書く者、不謹慎だと怒る者、やめてほしいと懇願する者、絶望を書き連ねる者、自分の地域に来て欲しいとアピールする者……さまざまだ。
「Bさんの詩は、説明的で雰囲気無いっていうか。そういうのには、いいいは☆1つけてきますね」
「詩を書きたくてカクヨムやってるんじゃないから……」
「1PVしかないんで、もはやいいいとの読み合いですよね」
「なんでお前は見てないんだよ」
「あああとうううは、何のためにフォローしてきたんでしょう」
「同一人物が複数アカウント持ってんじゃないの?」
「そろそろ自主企画に参加してみませんか?」
「いや、ちゃんと会話して。俺の問いかけに答えないまま次の話題に行くのやめて」
「エロい小説のみ募集してるのもありますよ」
「無視するなよ。で、なんで脈絡なくエロを推してくるの」
「いいいが☆つけてきたら、いいいの性癖傾向がわかるじゃないですか」
「知りたいこと、もっと他にあんだろうが」
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