「何か」目線
僕は今、この良く分からない生き物「こいつ」にくっついている。
理由は簡単。「こいつ」にくっついていると美味しい食べ物をくれる。
「こいつ」が出してくれる食べ物はとても美味しい。
僕が住処にしている樹の洞の付近ではこんな美味しいものを食べたものがない。
僕が「こいつ」と出会った日、その日はどうしても会いたくないやつがいた。
だからいつもと違う場所でご飯を探しながら散歩していたんだ。
そうしたら見たこともない形をした樹を見かけた。
なんだろう、これ。見たことないな~
恐る恐るなかに入ってみると「こいつ」が立っていた。
僕は「こいつ」をしばらく見ていた。
すると白いものから何かを出してきた。
美味しそうな匂いを嗅いだ瞬間。僕は興奮して食べ物が見える所まで移動した。
そう、気づいたら「こいつ」の体を登っていたんだ。
すると「こいつ」は動かなくなった。
どうしたんだろう。でもあの黒いやつは美味しそう!
中々「こいつ」が動かないから僕は降りたんだ。
すると再び動き出した。なんだったんだろう。「こいつ」は良く分からない。
「こいつ」は高い場所に黒いやつを置いた。
でも僕には関係ない。木登りは得意だ!
「こいつ」が木から離れた。僕は急いで細い木を登る
細い木を登り切ったら黒いやつがたくさん置いてあった。
もう我慢できない。
取れらないように急いで食べた。冷たいくて甘い。とても美味しい。
普段食べている木の実や虫とは比べ物にならない。
「こいつ」は普段からこんなに美味しいものを食べているのか?
どうしよう。でも今住んでいる樹の洞も捨てがたい。
幸い「こいつ」は暗くなると動かなくなる。その間は樹の洞に戻るとしよう。
「こいつ」が起きている間はここに戻ってきて体にくっついて様子を見てみよう。
もしかしたらまた黒いやつを食べれるかもしれない。
次の日、外が明るくなると「こいつ」が黒いやつを準備していた。
やった!今日も食べれる!体にくっついていた甲斐があった。
でも「こいつ」は僕に黒いやつをくれなかった。よく考えたら昨日も置いてあったのを勝手に食べたんだった。もしかして怒ってる?
僕は「こいつ」の目の前に移動してを見つめて訴えたが、無視される。
なんで僕を無視して食べているの?許せない。
だから僕は「こいつ」が持っていた黒いやつの中に入っていって食べようとした。
すると「こいつ」は手を離した。中身の黒いやつが転がっている。
良し、これで僕のものだ。取られないように急いで食べる。
「こいつ」は何か言って同じものを準備してきた。
あるんなら初めから僕のも出してよ!
その日の夕方から僕の分も出してくれるようになった。
嬉しい。
お礼に足元にいる虫やうるさい生き物を食べてあげた。
僕の舌はとても便利なんだから。
決して美味しいとは言えないが普通に食べることが出来る。これはお礼だから。
それに「こいつ」は自分の住処をきれいにすべきだと思うんだ。
初めて会ってからずっと「こいつ」を観察していたが、「こいつ」は足が悪いのか?
立っているときは何かふらふらしている。
移動するときはどこか触りながら歩くし、よくぶつかったり転んでいる。
急に転ぶのは僕も怖いからやめてよ。目で訴えるが届いている気がしない。
こんなので良く生きていけるな。なんで一人なんだろう。
驚きの出会いがあった。
そう、あの黄色いやつ。あれは今まで食べた物の中で一番おいしい!
いつも以上にかんだり舐めちゃった。もっと味わっておけばよかった。
もうちょっと静かに食べるべきだった。いつもお姉ちゃんに言われているのに。
煩く食べすぎたせいか、あれ以降黄色いやつは食べれてない。
緑色のやつが出てきたが、黄色いやつには及ばない。
なんで出してくれないの。あの白い中にいっぱい食べ物があるんでしょ?
もっとお礼をすればいいのかな。
外で「こいつ」が移動しているときに細長いうねうねが近くにいた。
もしかしたら「こいつ」を攻撃するかもしれない。
僕は「こいつ」から降りて細長いうねうねを舌で切り刻んだ。
これで大丈夫。良く分かるようにうねうねの頭を「こいつ」の足物においてやった。
僕はすごいだろ!今日はお礼に黄色いやつを出してくれて良いんだよ?
夕方が楽しみだなぁ。
夕方に出してくれたご飯は黒いやつだった。
僕は変えてほしいと飛んだ。
すると黒いやつを持っていった。
やった!僕の気持ちが通じた!
帰ってきて来たときは何も持ってきていなかった。別の場所に黒いやつを移動させたみたいだ。
おそらく「こいつ」を怒らせたんだろう。
僕は「こいつ」が移動させた黒いやつが置いてある場所になんとか登って食べる。
今日は頑張ったのになぁ。何も通じてないのか・・・
どうして分かってくれないのだろう。
食べ終わって「こいつ」の肩にゆっくり登る。少し悲しい。
次の日、朝ごはんに出てきたご飯は黄色いやつだった。
僕は食べ終わった後、嬉しすぎてお礼に何回も「こいつ」の顔を触っていた。
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