第13話

私は昨日の夜と同じ場所に居た。学校が終わって、今日はバイトが無いから家に帰って、それから。


昼休み以降紅先輩が私に干渉してくることはなくて、今日も無視しようと思えばできたのに。


私はまた、先輩の部屋にいる。



「お前は聞き分け良いよな。まぁ馬鹿だとも思うけど。」



ベッドの上で後ろから私に腕を回しながら先輩が笑う。



「紅先輩は噂以上に最低な人ですよね。」


「そりゃどーも。」


「褒めてないんですよ。」


「分かるって」



先輩の手が服の中に入ってくる。指でお腹をなぞられると、私の身体は分かりやすく反応する。



「っふ、うぅ……」


「身体は素直だよなー。感度高くていいねェ」



そう言いながら、両手で私の腰を掴む。



「ひぇ、」


「昨日も思ったけどよー、細くね? ちゃんと食ってんの?」


「そ、それなりには……」



バイトばっかりしてるから、適当に済ませてる日の方が多いと思うけど……


先輩が体勢を変え、私をベッドに押し倒す。


無遠慮に服を捲られて、胸元を露にされた。というよりそのまま脱がされる。


今日も今日とて大きいTシャツを着ていた私は、下着姿でベッドに転がさている。



「昨日の方がよかった」



私の首筋に顔を埋めながら先輩が言う。



「忘れてください……」



あんな素っ裸にTシャツ一枚なんて、醜態でしかない。



「やだよ」


「ていうか、一回しかしないんじゃないんですか?」


「昨日のアレはノーカンだろ」



ベッドと背中の間に手が入り、胸が締めつけから解放される。



「っ、」


「顔逸らすなよ」



そんなこと言ったって。恥ずかしさのあまり手で顔を覆うも、先輩の手でベッドに押さえつけられてしまう。



「やだ、」


「減らず口叩いてる時よかかわいーじゃん。」


「貴方に言われても嬉しくないです」



そしてまた、深い口づけ。同時に私の弱い所を探るように手が身体を這う。


昨日の今日じゃやっぱり慣れない。むしろ分かってるだけに昨日より反応してしまう。



「んっ……あっ、あぁ」


「ここ好き?」


「分かんなっ、ひぁぁ」

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