パイロット版2 盗まれたバイクと時間怪盗 幕間
夜の郊外である。二十四時間営業のコンビニは明かりを放つも夜の暗さは深い。街灯もまばらになってきている。家々の中から覗く明かりも少ない時刻だ。
「少年、何処へ行く?似合わないバイクに乗って」
それは闇の中から現れ、車道に立ちバイクの進路を塞いだ。
バイクのヘッドライトがその姿を照らす。瘦せぎすの男だ。
茶色の髪は癖が強く、赤く輝く眼鏡をかけている。そして白いシャツの上に白衣を羽織っている。
「何処かに行く」
少年は目指す場所を持たなかった。ただ自分の人生について親が引いたレールに嫌気が差して飛び出したのだ。
「なるほどなるほど。ではワタシはキミに何処かへ行く力を与えよう」
男は白衣のパケットから赤いレンズを取り出し少年の眼に押し付けた。
「ああああああああ!」
少年は悲鳴を上げる。レンズの力で時間怪盗に身体が変身する苦痛を味わっているのだ。当然だろう。
「マイスターはタイムレンズを与える相手の性別年齢を指定しなかった。ワタシは幅広いデータを得られるように様々な人間を時間怪盗にしよう」
男は少年がバイクを融合し、時間怪盗と化すを見届けるとまた夜の闇の中に消えた。
「その力は好きに使うと良い。だが、定期的にワタシが現れ時間を納めてもらう。忘れるな。時間は有限であることを」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます