まさしく「死合」と呼ぶに相応しい壮絶な戦いでしたね。重傷を追いつつも武器を持った3人を殺した剣闘士は見事でしたが、今後の命運を思うと喜んでもいられません。
ただ今この瞬間だけの観客たちの興奮のために、簡単に命が散っていく……
しかし、一度に百人を相手にして勝ち残ったレオニスはどれほど強いんでしょう。よほど誰も勝てないんじゃないでしょうか。
作者からの返信
すずめさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
ゲーム的な世界だと重症でもすぐに治ったりしますが、実際は失った機能の回復はないですし、治るとしても膨大な時間が必要ですね。
そういう中での、文字通りに己の身体を賭けた剣闘士の試合を感じていただけたようで、ありがたく思います。
>ただ今この瞬間だけ
剣闘士たちの思いとは別に、観客についてもありますよね。名を上げた剣闘士のことをしばらく覚えていることはあるでしょうけど、結局は他人ごとです。
どうやって何人が死んでも、ここの観客たちが悲しむということはほとんどありません。途轍もなく虚しい場所ですね。
はい、さすがに『百人殺し』の重みが出てきますね。向かうところ敵なしということなのかもしれませんが、だとしても(むしろなおさら)虚しいですね。
いつか自由の身になれるとでもいうなら、張りもありますが。
ここでは、命についても触れられておりますが、エンタメとして実はバトルシーンを読み書きするのは好きです。ちょっと疲れているときは、カケヒキ系のバトルとか、頭脳戦とかが楽ですね。血みどろとか怖い虫とかは苦手です。サブタイトルが死合でどうなるのかと思いました。確かにそうですが、そんなにグロテスクではなくて助かります。インパクトあるサブタイトルですね。
作者からの返信
以前にお話した気もしますが、私は逆にバトルシーンの価値があまりよく分からなかったりします。
実際に商業作品でもバトルシーンは読み飛ばしに近いレベルの斜め読みをします。
たぶんバトルそのものは、ヒューマンドラマに必要な感情を左右しないからでしょうね。
バトルの結果によって(誰か死んだとか)感情が動くことは理解できるので、そこだけはきちんと読み解きますが。
本作はホラーやスプラッタではないので、血や肉感を過剰に描写する必要がないですね。
剣闘士はどちらかの死によって勝敗が決まり、それ以外で演舞場から出ることはほとんどない。そんなものを楽しむ観客の大勢居る醜悪な場所で生きるしかない剣闘士というものを表現する言葉として『死合』としました。