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  • とある国の少年への応援コメント

    読み始めてすぐに、これって「ブルシット・ジョブ」ってやつなのでは……?
    という疑念が私に生まれました。(デヴィッド・グレーバー氏の唱えた、全体主義に蔓延るクソどうでもいい不必要で無意味で有害なだけの仕事という理論)
    しかし、私はすぐにその考えを改めました。私はこれまでも自分勝手で一方的で浅い解釈をして作者さまを傷つけたことがありました。あのようなことはしてはいけない、この物語もきっと何か大きな意味のある仕事を描いているんだ、と自分を叱咤し読み進めました。
    ですが、その後も変わらず窓の外を見つめ続けるだけの仕事……何かがおかしいと感じる心と作者を無条件で意味あることを描いていると盲信する心──
    偶然ではありましたが、物語の主人公と不思議なシンクロをしていたのかもしれません。

    ここがカクヨムである事から、読後他者さまのコメントを読んで、ああ、やっぱりその解釈で間違っていなかったんだと安堵する私──
    そこでゾッとするのは、私も他者に同調することで安心している全体主義の奴隷なのかもしれない、と。
    もし、他のコメントがなかったら…?
    私は他人の目を気にせず素直な感想を書けていただろうか…?

    そして、蓋をした記憶ですが…
    私も集団の中で無意味に不利と負債を背負わされ続けていたことを思い出しました。自分の「多少の」苦労は皆のためでもあると、そう自分を偽って、周囲から騙されて…結局20年近くも時間を無駄にしました。
    集団は、自分の安楽のためには他社の犠牲などなんとも思わない、それがひとりの犠牲ですむなら安いものだ、むしろ正義だと信じて疑わないということを、まざまざと思い知らされました。
    読む人によっては、これは劇薬ですね✨

    作者からの返信

    天川さん、魂の込められたコメントありがとうございます!
    また過分なご評価に加え、心の叫びのようなレビューまでお寄せいただきましたこと、この場を借りて重ねて厚く御礼申し上げます。

    この作品は、三題噺の自主企画に参加するために書いたのですが、その際に NINE INCH NAILS の "Survivalism" という楽曲からインスピレーションを受けて、自分なりの全体主義へのアンチテーゼとして書かせていただいたものです。物語では国家や民族をベースにしていますが、もっと小さな単位での全体主義もありますよね。
    世の中に目を向ければ「責任なき自由」が横行しています。ある意味個人主義が悪い形で暴走し、力ある者が絶対的であり、ヒトの尊厳や個人の尊重なんてものはゴミとなることもあります。私たちは、自由という個人主義を掲げる国にいながら、閉鎖的な全体主義のコミュニティの中に生きているのかもしれません。
    個人が自由を謳歌できる時代・国だからこそ、個人主義の意味をもう一度考えるべきなのかなと思います。この物語のような未来を回避するためにも……

    お読みいただきまして、ありがとうございました!


    Survivalism / NINE INCH NAILS
    https://www.youtube.com/watch?v=qTwZS9R3Bjk
    (字幕設定で歌詞が表示されます)

    編集済

  • 編集済

    とある国の少年への応援コメント

    ある場面(環境)で「良い人(模範的な人間)」と思われている人物は、裏から見れば「異常な人」であるかもしれない、そう感じた作品でした。私たちも日常生活の中で所属している団体、それは家庭であったり、会社であったり、地域、国であったりしますが、そこで求められる人物像を無意識に演じて生きている気がします。本当に無意識のところで、皆から外れないように……。でもそれって本当に「ふつう」のことなのか。本当はこうしたほうが、とか、こんなことしたくないけど……、とかあっても良い人であり続けるために、考えないようにしている。
    もちろん何もかも自分勝手にしない選択ばかりできるわけではないけれど、今一度自分の立ち位置を振り返ってごらん。そう言われているような気がしました。
    確かに「現代ドラマ」だと思いましたm(__)m

    作者からの返信

    世芳さん、こちらの作品までお読みいただきまして、本当にありがとうございます!
    またこちらにも過分なご評価を賜りましたこと、この場を借りて重ねて厚く御礼申し上げます。

    >ある場面(環境)で「良い人(模範的な人間)」と思われている人物は
    >裏から見れば「異常な人」であるかもしれない

    本作は、架空の国を舞台に全体主義の怖さ的なモノを描きたくて書いたモノですが、世芳さんの仰る通り、舞台を会社や団体、家庭として読み替えていただいても良いかと思います。

    >考えないようにしている。

    はい、それがこの物語の根幹のひとつです。
    そして、彼の思考停止を瓦解させたのが
    『Have You Forgotten Something?(何か忘れていないか?)』
    という言葉でした。

    人間は環境に適用しようとする生き物です。しかし、それによって思考が止まってしまい、世芳さんの仰るように思考をあえて止めてしまったり、家庭であれば配偶者からの DV を受け入れてしまったりするケースが結構あるように思います。DV を受け入れるのが「良い人(= 当然のこと)」なのだと……

    現在の環境に慣れてきた頃に、あえて「何か忘れていないか?」と自分に問いたいですね。

    お読みいただきまして、ありがとうございました!

  • とある国の少年への応援コメント

    下東さん、こんにちは😊

    天使の椅子と言うタイトルに反して重苦しいものが乗っかっている物語でした。
    しかし、これは誰の心の中にも知らず知らずに根付いているような気がします。

    (何か忘れていないか?)
    この言葉が刺さってきます。
    自分はどう生きたいのか?
    国の為?社会の為?世間の為?
    まずは自分の為に!
    そんな大切なものを思い出させてくれるような物語でした。

    作者からの返信

    この美さん、コメントをありがとうございます!
    またいつも大変なご評価を賜りまして、本当に恐縮でございます。重ねて厚く御礼申し上げます。

    ヒトは簡単に思考が止まるのかもしれません。
    外を見続けることに一体何の意味があるのか、この物語に登場するすべてのヒトはそれを知りません。そして、それを疑問に思ったり、知ろうとすることは国家や「我らの父」への裏切りであり、犯罪なのです。国家からの指示・意向がすべてなのですから……

    >(何か忘れていないか?)
    >そんな大切なものを思い出させてくれるような物語でした。

    私たちは自由というモノに慣れすぎているのかもしれません。空気と同じように、あって当たり前のモノ。
    でも、実際はそうではないですよね。自由も、空気も、金銭では価値を計れないとても貴重なモノのはずです。

    『Have You Forgotten Something?(何か忘れていないか?)』

    現在の国際情勢で生きていく中で、もう一度自由の意味と価値を個々で考える必要があるように思います。

    これまでとは少し違った毛色の作品ですが、お読みいただきまして、ありがとうございました!

  • とある国の少年への応援コメント

    ヨッシーにしては珍しい作品ですね。
    この世界は彼の妄想ともとれる、現実なら嫌な国ですね。
    北の方を思い浮かべました。

    作者からの返信

    オカンさん、コメントありがとうございました!
    またいつも大変なご評価を賜りまして、重ねて厚く御礼申し上げます。

    これまでとは毛色の違った風味で書き上げてみました。

    >この世界は彼の妄想ともとれる

    面白い解釈! それもアリです!
    外を眺め続ける仕事なんて、それ自体が異常でおかしいですからね。

    >現実なら嫌な国ですね。

    それに気付くまで、彼はこれが普通だと思っていました。
    嫌な国と気付いた時、彼は三年間、洗脳という名の教育を受けることに……

    洗脳後も踊り続ける天使たち。
    それは彼を嘲笑う天からの使いか。それとも、彼が人間として持っている最後の良心の表れか――

    お読みいただきまして、ありがとうございました!

  • とある国の少年への応援コメント

    その昔、日本もそうでしたね。お国のため、天皇のため、逆らえば非国民。
    そして洗脳ですか、居た堪れないですね。この場にあっては死ぬこと(開放)すら許されない。思考を矯正されて言うことを聞けば勲章を。飴と鞭の政策。飴すら無かった連合赤軍の総括よりはマシだろうか。
    そして聖痕。ショーシャンクを思い出しますがあの映画の場合、その先に解放があったのが救い。


    確かに社会を生きるにあたって、ある程度の協調性は必要ですが、全体主義まで行くと行き過ぎですね。そこには個であることの自由がなさすぎる。

    某中つ国国民は軍に監視されて自由な発言や集会など許されません。個人情報すら管理されています。そんな社会がこのご時世にあるだなんて、しかも隣国であり、少しずつ侵食されている怖さがありますよね。恐ろしい事です。

    作者からの返信

    かごのぼっちさん、コメントありがとうございます!
    また過分なご評価をお寄せいただきましたこと、この場を借りて重ねて厚く御礼申し上げます。

    全体主義の怖さみたいなモノを表現したくて書いてみた作品です。
    洋館の屋根裏部屋で外を眺め続けることに何の意味があるのか、彼も含め誰もそれを知りません。「我らの父」が誰なのかも知りません。もしかすると、彼を捕縛した秘密警察すらも、それらを何も知らないのかもしれません。しかし、それを誰も疑問には思いません。それを考えることは裏切りであり、犯罪だからです。教育施設で思想を植え付けられた彼は、女性を乱暴することを正当化し、その涙を「喜び」と認識しました。さらに、目的を達成できなければ洗脳すると。

    そんな彼の前で踊る天使たち。それは彼を嘲笑う天からの使いか。それとも、彼が人間として持っている最後の良心の表れか――

    >個であることの自由がなさすぎる。

    私たちは自由に慣れすぎているかもしれません。
    自由がどれだけ貴重なモノなのか、もう一度考えてみたいですね。

    お読みいただきまして、ありがとうございました!