第11話:俺とネルのルーティーンとヤバげなバイト。

「しかたがないマサキが死なない程度に加減してあげる」


次の朝、俺が生きてるってことは、エッチ手加減してくれたってことだよな。

そうは思えないくらい激しかったけどな。


そんなことばっかしてると俺はまじ死ぬって思ったからネルとのセックスを

水曜日はボツにして土曜日だけにしてくれって彼女に交渉してみた。

ネルは一週間もなしなんて我慢できないって言った。

おまえはいいわ、疲れなんか知らないんだから・・・。


「だから平日は俺はどうしても疲れるから、ネルを抱いても気が入らないんだ」

「そうなると楽しみ半減しちゃうだろ?」

「最初の頃みたいにはいかないよ」


「もしかして・・・マサキ私に飽きてる?」


「そうじゃないけど、飽きるってんじゃなくてどんなもんにでも慣れってもの

が来るだろ?」

「いつまでも新鮮を保つことなんて無理だから・・・」


「だから土曜日から次の土曜日まで間隔を開けようって言ってるの」

「土曜日ならさ、俺も仕事もバイトも休みだし・・・で次は日曜日だろ」

「だから土曜日なら元気だしネルを満足させてやることだってできると思うし」

「それっていい提案だと思わないか?」


「それってマサキの都合でしょ?」

「そうだよ・・・悪いか?・・・なあ、俺のためだと思って承諾してくれよ」

「ほんとまじで、俺の体が持たないの」

「俺はおまえと違って生身の人間なの、分かってる?」


「しょうがないね・・・まじでマサキが私の上で死んじゃったら困るしね」


「土曜日は丹精込めてちゃんとネルをケアするから・・・な?」


「手抜きなしって条件でオッケーしてあげる」


それ以降、土曜日にセックスは俺とネルのルーティーンになった。

そうなってみると、それが普通になっていくもの。


で、次の問題・・・俺はネルとの約束があるから、もうヤバげなバイトはできない。

だから今度は多少ヤバくても警察に捕まらないバイトを探すことに決めた。


今のバイトの斡旋業者の上の人間に「暗狩 闇男くらがり やみお」って

男がいて、まあこいつ自体、怪しいんだけどな。

で、暗狩に頼んで、ヤバくなくて金になるバイトがないか聞いてみた。

そしたら一軒のジャンクショップを紹介された。


倉庫街の端っこにある軽量鉄骨にスレート引き、壁が真っ黒に塗られた怪しげな店。

店のオーナーは初老の紳士ふうで見た目まともそうな感じがした。

だけどそれは見せかけだろう・・・こんな店やってるくらいだから裏社会とも

繋がっているんだろうな。

初老のじいさんは自分のことを「M」って名乗った。


で、カウンターの上に不愛想な猫が一匹鎮座してて俺のほう見てニャ〜って鳴いた。

その猫の名前は「Q」って言うんだそうだ。

なんだよ旧時代の007じゃないかよ。


このぶんだと俺は結局また裏業者に関わるバイトをする羽目になるのか?

ネルが聞いたらエッチさせてくれなくなるぞ。


ジャンクショップのMに暗狩くらがりさんからの紹介で来たって言ったら今、

丁度控えてるバイトがあるからやるかって言われた。

だけど失敗したら命の保証はないんだって・・・。


つづく。



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