025
「お前は俺にこの状況をどうにかして欲しいって事で喚んだが、奴隷契約には至っていない」
「そのとおりだな」
「よって俺は関わる義理は無い」
「カイト君が私様を見捨てるとはとても思えないが、そうだな」
なんなのこいつの俺への信頼は?セレスやルシフと違って魂を縛っている訳じゃないだろうに、この余裕は何だ?
「何をそんなに意外そうな顔をしておる?」
「そりゃそう言う顔にもなるだろ?お前は俺がこの国の惨状をどうにかすると信じてんだ。俺にはそんな義理は無いと言うのに」
なんだそんな事と笑った。
「カイト君は私様が欲した男だぞ?私様の期待を裏切らない男だよ」
いや、そう言うニュアンスのような事を確かに言っていたがな?
「俺は俺でいろいろ忙しいんだが」
実際天界と地上、そして冥界のインフラ整備や法整備、ラーメン屋まで含めると、俺いつ休むの?ってレベルで働いているんだが。
「実際カイト君を真の意味で手に入れられなかったのは非常に悔やまれる。だがしかし、私様はある意味カイト君の二人の主人よりも優位に立っていると思っているのも事実」
純貴族の
「何でそう思うんだ?」
「そんな事、決まっておろう。私様はカイト君を縛ってはおらんからだ。天使と死神の二人のように、紋章印で権利主張をしておらん。私様はある意味カイト君と五分の立場だと言う事だ。それは、カイト君の二人への好意は間違いなく主従契約による好意も入っておるだろうが、私様にはそれが無い」
胸を張って言い切られた。いや、確かにそうかもしれんがな?
「俺がアンナの頼みを断る可能性はでっかいんだぞ?」
「それでもカイト君はやってくれる。奴隷印はなくとも交渉は可能だろう?」
交渉、か……
「見返りをくれると言う事か?」
「うむ。見返りは私様の全て。権限も、この身体も、全部だ!」
バーン!と、効果音が上がったかのように、自分の胸に手を置いてのドヤ顔!いやいやいや!こいつ何言ってくれちゃってんの!?
「私様はこの国の跡継ぎも欲しておるし、その理由も含みの召喚術だった。カイト君がこの国の王となれば、私様の婿となればまさにウィンウィン!!」
「お前の要望ばかりしか叶えていないじゃねーかよその取り引き!!」
俺の要望が全く無いぞそれ!龍国の王様ってポジも必要ないし、何なら天界、冥界のナンバーツーも、地上領領主の座もいらないんだし!
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