016
しかし、ピンク髪は否定の首振り。
「こんなジジィに賛同するのは癪だが、その通りだと思うぞ。流石の俺でも全世界を敵に回しても勝てるとは思えない」
「ここクソガキにしてはいい判断ですぞアンナ様。もっとも、恐れを知らぬ蛮勇のようなクソガキ、全世界を敵に回す事は充分に考えられますが」
ギギギ、とジジィと睨み合う俺。お前、本気だったら木っ端みじんになってんだぞ。如何に身体が硬くても物質には違いないだろうが?
「そうではない。私様は
ま、まあ、軍を出すっつうんだったら……そうなのか?一応友好国もある事だし……だけど、賛同するかな、メデア……
「こんなクソガキにそんなカリスマがありますかの」
「ボケたジジィの脳味噌じゃ理解できない事がいっぱいあるだろうから、敢えて何も言わないでやるよ」
またギギギ、と睨み合った。カリスマ云々は兎も角、龍国程度だったら今の戦力でも勝負になるんだぞ言っておくけど。
「確かに異界召喚術は失敗した。それはこ奴が対価にと望んだ力を既に持っておるからだ。だがしかし!私様が欲した技巧奴隷である事実は変わらない!!」
「なんで言い切れるんだよ?」
「言ったであろう?条件には私様好みの顔を持つ、と!好みの男じゃなければ子を成すと思わぬわ!!」
凛として言い切られた。顔が好みなのか…俺の……そうかぁ……お前ってなかなかいい奴のように思えて来たなぁ……
「成程、アンナ様の言い分は理解しました」
「そうか!解ってくれたか爺!」
頷くジジィ。だがしかし!
「異界召喚術で縛れなかったのは事実。よってこのクソガキはここで殺しても差し支えありますまい!!」
言ったと同時に牢屋(多分地下室)にわらわら集まってきた兵士。こいつ等が
しかし、ご年配の方々が多いな……若くても中年、つうか……
「やめろと言っておるだろうが!引かぬと言うのならば私様が引導を渡すぞ!!」
ピンク髪がキレて言ったら兵士たちが仰け反った。こいつ等よりもこのピンク髪の方が強いって事か?単純に国の代表だから畏れたのか?
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