011
……なんか声が聞こえるな…寝ているんだからちょっと静かにして貰いたい。
「命を削って何故奴隷を欲したのです!?」
「喧しい。我が国の現状を知ってそう言っているのか爺」
「脅して無理やり連れてくれば良かったと言っておるのです!!たかが人間に龍の寿命の半分をくれてやる必要は全く無かった!!」
「技巧奴隷は物づくりのみにあらず、だ、爺。我等の次なる王も作って貰うつもり故」
「なんと!気でも触れましたか!?人間と子作りをなさるおつもりとは!!」
「そこの問題もしょうがあるまい。よって我が国に有益なる人間に褒美として私様の身体をだな……」
なんか俺の意思そっちのけでギャーギャーやっているような?つうか技巧奴隷ってのは単なる物づくり以上の趣向が欲しいって事なのか?
つうかもう奴隷はいいんだよ。ユピテエルとプルトエルの奴隷でお腹いっぱいだ。他を当たれ。
「世継ぎ問題は確かにその通り……で、ですが、人間なんぞよりも、天使も悪魔もおられます……い、いや…これは失言でした…」
「人間以外と敵対関係なのは今更だろうが。そもそも人間の味方と言う訳でもない。暇潰しに地上に出ている者達の行いでそう感じる程度だろうが。だが、この男は違う。この男こそは……」
「な、なんと!?あの話題の……し、しかし、そうなると、ユピテエルと冥界、二つ同時に敵に回す事に……」
「構わん構わん!纏めてぶち殺せば問題無かろう!!私様が二人纏めて葬り去るのみよ!!はーっはっははははははは!!!」
「ま、まあ……誰が相手だろうとも、我等の敵にはなりますまいが……」
なんでお前の勝手な要望の為にあいつ等を危ない目に遭わせなきゃいけねーんだ。一応俺の主人だぞ、あんなんでも。
つうか、背中がいてーんだけど、ベッドじゃねーのか?
ゴロンと一回転して寝返りを打った。冷たかった。床?
セレスとルシフは太もも枕だったのに、床!?
「ふざけてんのかお前等あああああああああああああ!!!」
超ムカついて飛び起きた。対面の二人、ぎょっとして俺を見る。
いや、対面じゃなかった。距離を微妙に取ってあった。その謎もすぐに解った。
「……鉄格子?牢屋じゃねーか!!」
「漸く起きたか無礼者めが。我等の支配者なるアンナ様の御前でグースカ鼾を掻いて寝入っていた事、直ぐに謝罪せよ。さすればその無礼は許そう」
「何ふざけた事抜かしてんだジジィがあああああああああああああああ!!!!」
こんな鉄格子如き分解で木っ端微塵だ!出た後すぐにぶち殺してやるから逃げずにそこで待ってろジジィ!!
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