008
今の時間お客があまり来ないので、ルルに買い物を頼んだ。仕込みの材料だ。
俺はと言うと、空いた時間に各部署から送られてきた書類に目を通したり。要するに、仕事中に他の仕事もしていると言う事だ。各大臣が有能なために送られてくる書類は整理していて纏まっているが、文部大臣に据えた無能のギャスバルジジィがな……
他の有能な部下に俺の考えを伝えて、それを教育に組み込んでいる最中だが、「神の記述はどうする?」だの、「長いルノワールの歴史を授業に組み込もう」だの、俺の意図とは全く関係ない事ばっか進言してきて、いい加減イラついてぶん殴った事が多々あったし。
ルノワールの歴史なんか、無能な国王が自分では何ともならなかった他国の戦争の為にユピテエルに編入された。でいいんだよ。つうかそれ以外は認めない。
しかし、無能なれど民を思う気持ちは本物のようで、給食の存在を知って偉いたまげて感心していたな。貧しい子供の腹を満たせる画期的なシステムだ!つって。
つうか、文部省も他の有能な部下のおかげで目立ったトラブルはない。今ちょっと忙しいのは軍部か。天界マリウエルとの戦争の為にピリピリしているし。兵器の増産とかもやって工場フル活動中だとか。
冥界でも先の戦争の後始末で結構忙しいようだし。具体的には冥王権限による罪の差別化とかで。まあ、ルシフが全部決定して、他の死神が代行しているんだが、それでもルシフの負担はデカい。俺にはなんもできんから頑張ってくれとしか言えないけども。
そして、ポケットをまさぐって取り出したのは、宝玉。それを見て軽い溜息をついて、再びポケットに戻す。
これマジでどうにかしなきゃな。
マリウエルの馬鹿野郎共が喚んだ魔王は偽りなれど、魔王の力を扱えるので、やっぱり魔王って事らしいが、魔王もどきと言った方が良いのか?
まあ、それは兎も角、魔王因子に適合した魔王もどきは俺が華麗に解決したので、その成果として宝玉が俺の手元にある訳だが……
ぶっちゃけ、このまま持っていても何も問題はないが、預かり物のカテに入っているので、俺の気持ちが何となく落ち着かないのだ。
他人の大事な物を俺が勝手に持っているって、なんかう~ん、的な感情が働いて落ち着かない。
やっぱ本来の持ち主に一番近いであろう、本家の
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