007
ルルはやはり葛藤したが、俺が食べると言ったので、興味を示して――
「それ貰うにゃん。カイトさん、トッピング追加してもいいかにゃー?」
おお、生卵にチャレンジするか!!いいぞ!その心意気に感動したのでトッピング何でも入れてやる!!
「かき揚げ入れてほしいにゃん!!」
「か、かき揚げか……出来上がりの奴でいいか?」
本当なら揚げたてを食べて欲しいが、ラーメンのトッピング用に開発したかき揚げなので、後乗せベタベタで美味しく作っている……筈。
「それでいいにゃん。と言うか元々そのつもりだったけど、なんで?」
「い、いや、てんぷらは揚げたてが一番旨いからな……いっその事天ぷらをやめて天かすにしようかなとも思っていた所だったし……」
「えー!?かき揚げは必要にゃん!!ノーマ様だって悲しむにゃん!!」
確かに、ノーマ達
そのおかげでご馳走する筈のコーンスープラーメンは未だに催促されていない。まあ、まだメニューに出していないだけで、食わせろと言われればいつでも用意はできるんだが。
因みに、菜食者用のかき揚げは玉ねぎと人参、さやいんげんと銀杏を混ぜて揚げた物。他に小エビを入れる場合もあるが、菜食者用にはならないので一般用だ。
「解ったよ……確かに人気あるからな、一部の奴等に」
「解ってくれて良かったにゃん。んじゃそのラーメン戴くにゃん」
はいはいとかき揚げを入れてルルに出す。俺の分も速攻で作ったぜ。
「んじゃ頂きまーす」
俺の頂きますに倣ってルルもそうする。これ、地上領での道徳授業に使おうかな?あいつ等恵みを戴き、神に感謝とか言っているから。作ってんのは農家の方々だっつうのに。
んじゃまあ、と、黄身を潰してスープになじむよう、かき混ぜる。
「え?混ぜるにゃん?」
「ああ、バターと生卵がいい感じに味噌のしょっぱさを緩和させ、まろやかにしてくれるんだよ」
ずぞぞ、と啜った。うん。いい感じだ。俺の表情を見たのか、ルルも同じように混ぜる。
「……確かにマイルドになったにゃん。食べやすくなった、と言った方が良いかにゃん?」
だけどやっぱしょっぱいと言って食べていた。残してもいいと言ったが、食べ物は粗末にできないと、俺の所の従業員に相応しい言葉を述べて、完食した。
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