005
まあいいや、接触が無いんだったら動きようがない。なので別口を頑張ってみるか。
「ルル、焼売とエビワンタン、肉ワンタンの大盛り」
「はいにゃー。メデア様、お待ちどう様にゃん。ジンとレオンもにゃん」
「ありがとうございますぅ~」
メデアはお礼を言ったが、ジンとライオン丸は礼を言わず。まあ、あいつ等は金払う方なので必要ないと言えば必要ないが。
「そう言えば~……」
海鮮焼売をハフハフしながらメデアが何の気なしに尋ねて来る。
「初代魔王は地獄に封印されたのですが、その子孫は
「その話だったな」
「で、
「あいつの話ではそうだったな」
「その
そうだけどとワイズを向く。ワイズ、慌てて違うと否定。
「ですから、前も言ったように、子孫には違いないのでしょうが、ホント遠い昔に分かれたんで、一部の威張っている奴しかそんな事言ってませんて」
「一部、とはなんですかぁ~?」
メデアの質問である。俺は前に聞いたから知っているけどな。
「そうですね……暴力で他種族を従えている腐ったような連中ですね。龍族の子孫だと吹聴する事で、権威を得ようとしているのか、それともただ威張るだけの道具にしているのか」
「そうなんですかぁ?では、その暴力に訴え出ている
「そいつ等は旧ルノワール、旧マリウエルから外れている土地に棲んでいますんで。アポロエル地上領のデカい湖に棲んでいます」
「アポロエル、ですかぁ~……カイトさぁん、アポロエルとは揉めないでくださいねぇ?」
なんか知らんが俺に釘を刺す。
「向こうが喧嘩売ってくれば普通に買うけど」
「まぁ……カイトさぁんならそう言うと思いましたがぁ……アポロエルは天界、地上領と、共に一番広大な地を治めていますし、軍事も天界ナンバーワンですのでぇ、なるべくは。ねぇ?」
いや、だから、喧嘩売って来たら買うだけで、俺から仕掛ける事はないんだよ。揉め事は面倒くせーし。何なら俺の領もセレスに丸投げしたいくらいだし。
「ですが、俺達にも言い伝えがありまして」
「言い伝え?また名も無き預言者だろ、どうせ」
いろんなところに現れて預言しまくっているらしいが、その預言に縋っている種族も多いくせに、当たったのか外れたのかさっぱり解らん。セレスは気にしないタイプだが、ルシフは信じている方だったな。
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