004

「おう、ワイズじゃねえかよ。お前自警団に入ってくれたんだってな?マジ有り難いぜ」


 ジンが気さくに話しかける。


「何?ワイズお前、冥界城護衛に来るんじゃねえのか?スカウトしたのによ……」


 驚愕のライオン丸。ワイズはこの外見通りとても強い。冥界の闘技場コロシアムでも直ぐにランカー入りできる程の実力があるそうだ。ライオン丸曰く。


「ああ、ジンか。うん、と言っても仕事が終わってから、夜限定だけどもな。俺としちゃバイトできて有り難いしな」


「そんなに金が必要なら、警備にくりゃ優遇してやるっつってんのに……」


「ああレオン、気持ちは本当にありがたいけど、俺、兵士系の仕事はな。それに、今の仕事面白いしな」


 やんわりと断るワイズであった。荒くれ時代から抜け出したいので、なるべくそう言う仕事には就きたくないとの事。


「本当に此処はいい所ですよねぇ~……あ、ルルさぁん、焼売追加、いいですかぁ~?」


「ま、まだ食べるんですかにゃん?」


「美味しいのでぇ~。ねえ?」


 同意を求めるように蜥蜴人間リザードマンを向いて言った。全員大きく頷いた。


「あいよ。お前等の注文は何だ?」


「俺味噌バター「味玉の塩「醤油背油「肉ギョーザ」」」」


 一気に注文してきたな。ルルがふんふん頷いて伝票に記入しているから助かっているが。


「ところでカイトさぁん、悪魔ディアボルスから何らかの接触はありましたかぁ~?」


「無いんだよ。解りやすい形で接触して来るっつったのにな……魔王因子サタン・ファクター、俺が持っているっつうのに……」


 あいつ等にしちゃ気が気でない筈だろ。魔王因子が解りやすい形で俺に保管されているとあっては。寄越せっつうならやるんだけど、それも無し。実際困ったもんだぜ、あれをそこら辺に適当に置いておく訳にいかねーし。


「多分ですが、天界マリウエルと決着がついた後、ではないですかねぇ~?言われたんでしょう?マリウエルが持っている分にはいい。と」


 確かにな。今までそうしてきたんだから、他に流出する危険がないとの判断でな。


 んじゃメデアの予想では、悪魔ディアボルスはウチとマリウエルが戦争すれば、どっちが勝つか解らんので、取り敢えず放置って形になったのか?マリウエルが勝った場合は今まで通りだからいい、ウチが勝ったら接触する。そう言う事なのかな?

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