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 つまり、龍族と対話できる可能性が一番高いのは地上と言う事だ。そうじゃなくとも、俺の領は亜人だろうが人間だろうが全く同じくしているし、龍族から見れば興味の対象だと。


「しかし、ただ待っているのもな……」

 

 チャンスを口を開けて待っている状態なんて、何もしていないと同じ事だろ。だからと言って何をすればいいのか見当もつかないが。


「それはそうと、セレスさぁんとルシフさぁんは今日も来ないんですかぁ?それとも、行き違い?」


「お嬢様と冥王様は当分の間出入り禁止になったにゃん」


「え?そうなんですかぁ?なんでまた……あ、いや、あれが原因ですねぇ……」


 遠い目になって回想に耽るメデア。こいつもあれをライヴで見たからな。つってもそんな大袈裟な話じゃないが。


 3日程前、だったか?かち合ったセレスとルシフがガチの喧嘩をしてウチの店を半壊させたのだ。メデアがびっくりしてこう言った。


「お二人の大事な人のお店を壊していいのですかぁ!?」


 対するセレスとルシフのアンサーはこうだった。


「カイトにとって一番大事なのは私だけです!」


「……この畜生にも劣る女は旦那様に相応しくありません」


 メデアのクェスチョンに対するアンサーじゃなかった。自分の欲求だった。流石にメデアも頭を抱えた。


 まあ、店を壊した訳だから、当たり前に躾としてアイアンクローを食らわし、3時間程正座させて説教して、暫く出禁にすると。


 立ち上がって抗議したから再びアイアンクローでねじ伏せた。この一部始終をメデアは見ていた。暇なのかな?


「そろそろ許してあげたらどうですかぁ~?」


「まだ3日しか経ってない。本心では1年くらい出禁にしたいくらいだ」


「それはちょっと可哀想ですよぉ~……」


 本気で気の毒そうな顔を拵えて。


「お前がそこまで気にするのか?」


「お二人ともお友達ですからぁ~」


 メデアは海界の王の3番目の娘。末の姫様で、親父もお袋さんも姉ちゃん達も精神を病んで引き籠ってしまった。


 よってガキの頃から政をやらされていたので、友達と言う存在はいなかった。だからセレスやルシフが友達になったのがとても嬉しいのだろう。俺も友達カテだが、女子同士の友達はやっぱ違うのだ。


「まあ、1年は流石にだが、せめて1週間は出禁確定だな」


「7日、ですかぁ~……あの二人、発狂しませんかぁ~?」


 知らん。発狂したら躾け直すだけだ。何も問題はない。

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