心理効果を利用してエッセイは読まれたのか

「けっかはっぴょ〜う!!」とハカセが声を上げた。


 パンパン!


 のっけから祝砲のように銃声が鳴り響き、弾丸が俺の眉間を貫通する。


「発表する前から撃たれているんですけど! 開幕爆撃みたいなことしないでくださいよ!」 


「よく見ろ、それは残像だ」


「そのセリフを言うとしたら俺の方なんですがっ! 全然残像じゃないし、実像だし、血が噴き出してますし! 痛いし!」


「自分が死なないことには驚かないのだな」


「それは後で聞きます。とりあえずミルグラム効果の実験はどうだったんですか? 撃たれてるから失敗ですか?」


「うむ、それではこのエッセイが読まれたかどうかだが、三話目を投稿してから現時点までにPVが5→59になり、なんと☆を10個も頂けたぞ」


「え、すごい……。俺なら三話目を読んだ時点でキレますけどね」


「うむ、人類はお前ほど度量が狭くないからな」


「俺は人類じゃなかっただとぉ!? なにはともあれ、これは効果ありってことですよね?」


「他にも要因があったかもだから確実とは言えないが、一定の効果はあったと考えていいだろう」


「じぁあなんで俺は撃たれたんですか?」


「ゾンビーの耐久実験だ」


「ゾ、ゾンビー?」


「実はタイムマシーンの副作用でジョシュだけが、ゾンビーになってしまったのだ。そのついでにどうせなら耐久値を調べてみようと思ってな」


「へぇ……、治りますよね?」


「ゾンビ系は安定した人気ジャンルだから、実体験をもとにホラー小説でも書いてみるといい」


「治るんですよね? ねぇ?」


「ちなみにミルグラム効果といえば、スタンフォード監獄実験を基にした『es』という映画が面白いから是非観てくれ、少し昔の映画だが観て損はないぞ」


「治るんですよねぇ!?」

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