後編 君への唄と別れの唄

「え、、、」

まさに絶句。

「死んだ?どう言う意味?いやふざけてるよね?」

ちょっと怖くなった。


「ぐふふ。嘘じゃないんだなーそれが」

嘲笑うような返答になぜか懐かしさを感じた。


「いやいや。え?いくらなんでもファンタジーすぎない?!」

もうなんか頭がゴチャゴチャだ。


「ホントだよ。私はこの海で死んだのさ」

なんか自信に溢れているような、どこか後ろめたさを隠すような一言。


「理由を聞いてもいいかい?」


「死んだ理由を本人に言わせるとか最低じゃん!」


「あ、ごめん..」


「ぐふふ、あんた面白いな。名前は?」


「日向です。お日様の日に向こうの向で」


「ぐふふ、いい名前!」



こんな会話が続き、もう日はすっかり上りきり、晴々としていた。


「あっもう行かなきゃ!」


「えっもうお別れ?寂しい」


「また会えるよ」


「ほんと!じゃあまた」




あの時からあの子と会うことはなかった。


不思議な物語。


海の世界。


唄の物語。


今でも唄が聞こえてくる。あの海岸線に。




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海岸線の唄 藤影秋斗 @UkyouYaezakura

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