04 GPvs朝倉家

 花街、ゴールデンパレス。

 人々の悲鳴の奥から香川を筆頭に朝倉家の家臣たちが走ってくる。

 少し遅れて朝倉がやってくる。


朝倉 いた?

香川 いえ、どこにも。

朝倉 …はぁ。

秋葉 Hi~♡


 秋葉、ゆっくりと歩いてくる。


秋葉 随分派手にやってくれるねー。今日、誰か誕生日だったっけ?


 朝倉と香川、気づいて刀を構える。


秋葉 わあ、コワイコワイ♡そんなに慌てなくたって、逃げも隠れもしないよ。君の目的は知ってるからね。


 一人の女性が連れられて出てくる。


朝倉 …!

秋葉 君がほしいのは、この子でしょ?

朝倉 返してくんない。

秋葉 ボクが奪ったわけじゃないんだけどなー。この子が自分からこっちに来たんだよ?

朝倉 は?

秋葉 君のとこ、没落しそうなんだってね?人もお金もなくて困ってるんでしょ? 

朝倉 え、そうなの?

香川 そうなの?じゃないですよ!そうなんです!

朝倉 初耳だわー。

香川 若でも知らないことをどうしてお前が知っている!?

秋葉 えへへー。どうしてでしょー?


 秋葉、見せびらかすように女性を自分に抱き寄せる。


朝倉 …!


 朝倉、秋葉から女性を取り返す。

 女性、朝倉に斬りかかる。


秋葉 あははははっ!引っかかった!残念でした、君の彼女はとっくに死んだよ!

朝倉 …。

秋葉 いくら剣が強くても、大切な人の一人も守れないなんて。ねえ、今、どんな気分?

香川 貴様!


 香川、秋葉に斬りかかる。

 秋葉、避ける。


秋葉 わあ!それ友情ってやつ!?いいな、いいなあ。ボクもほしい!

朝倉 気持ち悪い。


 朝倉家とGPの殺陣。

 朝倉家側、傷ついていく。


朝倉 ねえ、邪魔!あっち行って。

香川 若…ご無事で!


 朝倉家側、逃げる。

 朝倉、一人で秋葉以外を斬り伏せる。


秋葉 やっぱり君、強いねえー。楽しめそう。


 朝倉と秋葉の一対一。

 朝倉、秋葉の首に刀をつける。


秋葉 あはっ…負けちゃったかー…。

朝倉 死んで。

秋葉 あの子に会えなくなってもいいんだ?

朝倉 …え。

秋葉 ほら。疑わしきは罰せずって、言うじゃない!?


 秋葉、朝倉の刀を払って間合いを取る。


秋葉 ま、まだ返してあげるわけにはいかないんだけどねー。

朝倉 …むかつくわあー。

秋葉 よく言うでしょ、信じるものは救われるって。

朝倉 言わない。

秋葉 知らないの?ああでも、信じられないボクに信じろっていわれても、信じられないよねぇ。


 間。


朝倉 …はぁ。彼女はどこなんですか。

秋葉 お!信じる気になった?

朝倉 何を信じるか決めるのは俺なんですけど。

秋葉 (まぶしそうに朝倉を見ている)

朝倉 答えないなら斬るよ。

秋葉 教えなーい。そしたら君、そこに行くでしょ?

朝倉 行くよ。

秋葉 知ってる。だから教えてあーげない。

朝倉 無事なんでしょうね?

秋葉 死んじゃったら人質の意味がないからね。

朝倉 何が目的なんですか。

秋葉 君にはわかんないよ。誰かのために必死になれる君には、ね。

朝倉 え、何それ。

秋葉 君と闘るの、楽しかったよ。また遊びに来てね。


 秋葉、納刀する。


秋葉 次に来るときは、お互い本気で殺りあおうね。


 秋葉、去る。

 朝倉、自分の首元に傷があることに気づく。


朝倉 腑に落ちないわあ…。


 朝倉、納刀して去る。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る