01 ゴールデンパレス(GP)
花街、ゴールデンパレス。
行き交う人々のざわめき、客寄せの声。
そこへ女性を侍らせて歩いてくるギラギラとした装飾がうるさい男。
町の女性たちが一斉に色めき立つ。
秋葉 Hi~♡みんな元気?何か困ったことなーい?大丈夫?
遊女① あるわけないじゃないですかあ♡
遊女② 秋葉様のおかげで、私たち今までよりもよくしてもらってるしい。
遊女③ 外からのお客も増えて、街は今までにないくらい潤っているんですよお。
秋葉 そーお?じゃあ良かった。この調子で頑張ってね。
全員 はあい♡
遊女④ 秋葉様ぁ♡今日はうちに遊びに来てくださるんですよね?
遊女③ えーずるぅい!うちに来てよお。
遊女② だめだめ、きょうはうちって言ってたでしょー!
秋葉 みんなありがとー。でもごめんね。今日はちょっとご用事があるから遊べないの。
全員 えー、そんなぁ。
秋葉 帰ってきたらみんなと遊んであげるから、大人しく待っててね♡
女性たちは名残惜しそうにしながら去っていく。
そこへ軍人風の柄の悪い男がやってくる。
武田 毎晩毎晩楽しそうなこった。
秋葉 一度きりの人生だよ?楽しまなくちゃ。
武田 何よりだな。せいぜい楽しめ。
秋葉 言われなくても♡
武田 …はぁ。おらよ。いつもの。
武田、武器を秋葉に渡す。
秋葉 ありがとう♡助かる~。
武田 御託はいい。さっさと金を出せ。
秋葉 つれないなあ。ボクは君と仲良くしたいんだけど。
武田 断る。これ以上、目付けられたらたまったもんじゃねぇ。
秋葉 でも。今の政府じゃ君たちを飼い慣らせない。でしょ?
武田 どーだかな。あくまで政府の狗だ、俺たちゃ。
秋葉 あくまで、ねぇ。でも君はそんな政府のこと、よく思ってないんだもんね?
武田 さぁな。
去ろうとする武田。
秋葉 ざーんねん。仲良く出来ると思ったのにな。
秋葉が背後を襲い、二人の刀が交わる。
武田 どぉの口が言いやがる、この戦闘狂。
秋葉 あはっ、今更?
二人、間合いを取る。
秋葉 君たち強いからつい、ね。
武田 つい、じゃねんだよ。テメェの欲くらいテメェで満たせ。
秋葉 どんな欲望もここでなら満たせる。
武田 ああ?
秋葉 だってほら、君だって来てくれる。
武田 …俺の欲しいモンはここにゃねぇよ。
秋葉 ボクじゃ君を満たせない?
武田 …。
武田、刀を納める。
秋葉 あれ?殺ってくれないの?
武田 …。
秋葉 どうしたの?具合悪い?
武田 …これ以上やるなら武器の供給を絶つ。それでもいいってんならやってやるよ。俺たちの後ろ盾なくして、この刀京で生きられるっつーんならな。
秋葉 えー…しょんぼり。
秋葉、しょんぼりしながら刀を納める。
秋葉 ま、しょーがないか。いいよ、今日はこのへんで。
武田 偉そうに。何様だよ。
秋葉 王様だよ♡お金は振り込んでおいたから。これからも安心して武器を売りに来てね♡
武田、秋葉を無視して行きかける。
秋葉 ねえ。
武田、立ち止まる。
秋葉 何をあげたらボクと殺ってくれる?
武田 …何をもらってもテメェたぁ殺りたかねぇよ。
武田、去る。
秋葉 …そっかぁ。
秋葉、武田が去った方を名残惜しそうに眺める。
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