第130話 巨大ミミズ

一馬は、新たに緑化された牧草地帯に牛や羊、ヤギ、鶏といった家畜たちを次々と放ちました。動物たちは目の前に広がる青々とした草原に目を輝かせ、のどかに草を食べ始めます。その姿を見て、一馬は静かに感動の念を抱きました。長い年月をかけ、苦労して育てたこの広大な地がついに実り、多くの生命を育む場となったことが、彼の胸に深く響いたのです。


しかし、その感動も束の間、突然の轟音があたりを震わせました。大地が激しく揺れたかと思うと、土煙とともに大地が裂け、その裂け目から巨大なミミズの怪物が現れたのです。その巨大な口を開けた怪物は、目の前にいる家畜たちを次々と丸呑みにしていきました。その恐ろしい光景に、一馬の怒りは爆発しました。


「フザけやがって、このクソミミズ、俺のスローライフを何だと思ってるんだ!」と、彼は怒りを露わにし、愛用の改造エアライダーに飛び乗りました。一馬は巨大ミミズの前に躍り出てその注意を引き、連れてきたスタッフたちに家畜たちを安全な場所へ避難させるよう指示を出します。彼の怒りは頂点に達し、全身の力を振り絞って魔法を放ちました。「ファイヤーレーザーボルト!」熱を帯びたレーザーがミミズの頭部を真っ二つに引き裂き、瞬く間にその個所は爆発し、怪物の体は四散しました。


「ざまぁみろ、このクソミミズ!」勝利を確信し、一馬は胸をなでおろしました。しかし、その直後、再び大地が揺れ動き、今度はさらに巨大なミミズが3匹も地面から現れました。一馬は一瞬、乾いた笑いを漏らしますが、すぐに現実を理解し、今しなければならないことに思いを巡らせました。家畜たちを守ることが最優先だと悟り、改造エアライダーを最大限に活用し、家畜たちを急いでエアライダーに乗せて退避させました。


その間も、彼は巨大ミミズたちの攻撃をかわしながら、クレストンに戻るまでの時間を稼ぎました。ようやく家畜たちが無事にクレストンに到着したのを確認すると、一馬も最後にエアライダーでクレストンへと引き返しました。牧草地帯を守ることはできなかったものの、命を守るという一馬の決意は揺るがず、彼はまた新たな戦いへの決意を胸に秘めていました。

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