異世界スローライフ農場、俺は本気で『スローライフ』をする

第60話 接客３日目

最終日、山の上の涼しい空気の中、家族連れもカップルも、名残惜しそうに荷物をまとめていました。子供たちは、鶏を追いかけたり、抱きかかえたりして最後のひとときを楽しんでおり、その無邪気な笑顔が場を和ませていました。

朝食には、一馬が最近手に入れた新鮮な無精卵を使いました。ナビィが上手に焼き上げた卵料理は、シンプルに塩を振っただけで極上の味わいに。サラダと選べるメインディッシュの肉か魚も、丁寧に調理され、朝の空腹を満たしてくれました。家族連れもカップルも、この食事に大満足し、心地よい朝のひとときを過ごしました。

食事の後、一馬はお土産用に新鮮な野菜と鹿の燻製を販売しました。家族連れはどちらも大量に購入し、カップルの男性は鹿の燻製を、女性は新鮮な野菜を選びました。「来年も絶対来るよ」と、どちらの組も一馬とナビィに感謝の言葉を残し、笑顔で約束しました。

最後の見送りは馬車まで。子供たちが「ばいばーい」と元気よく手を振り、ナビィも「ばいばーい」と楽しげに応えました。去っていく馬車を見送りながら、一馬とナビィは、今回の成功を胸に、これからもこのコテージで訪れる人々に最高の体験を提供する決意を新たにしました。