第22話 作物荒らし
一馬はいつものように米を売りに町に出かけていました。袋詰めされた米を市場で並べていると、突然、見知らぬ男性が声をかけてきました。彼は近くに農場を持っている農夫で、困り果てた表情を浮かべています。
「君、最近ここでよく見かけるね。実は相談があるんだが…」
一馬は怪訝な顔をしながらも話を聞くことにしました。
「毎晩ゴブリンの群れが俺の畑を襲撃してくるんだ。野菜や果物を荒らされるばかりか、作物もダメになっちまう。何とか護衛を頼めないだろうか?」
その言葉を聞いて、一馬は自分の農場のことが頭をよぎりましたが、男性の真剣な様子に心を動かされました。
「確かに、それは困りものですね…でも、私も農場を持っていて、何日も護衛に当たるとなると少し難しいです。ですが、報酬を頂けるのであれば、お手伝いできるかもしれません。」
男性はすぐに承諾し、一馬に自分の農場へ案内しました。そこは広々とした土地で、今にも実りそうな作物が揃っていましたが、明らかに荒らされた跡も見受けられます。
「どうか数日だけでいい、助けてくれ。」
一馬は頷き、急いで自宅に戻りました。ナビィに事情を説明し、「数日間、家を空けるけど、大丈夫か?」と尋ねます。
ナビィは小さな手で頷き、「心配しないで、私がちゃんと見てるから」と返します。
一馬は準備を整えると、再び護衛を依頼された農場へと急ぎ足で向かいました。彼の心には、新たな挑戦への期待と、無事に務めを果たす決意が溢れていました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます