第12話 薪売り

翌日、一馬は早朝から農場の裏手に生い茂る古い木々を伐採することに決めた。荒れ果てた農場を再生させるためには、まずは土地を整理する必要があった。


斧を手に取り、力強く振り下ろす。木々は次々と倒れ、音を立てて地面に崩れ落ちた。倒れた木を適切な大きさに切り分けていく。サイコキネシスを使うと、木材の移動が簡単になり、一馬は効率的に作業を進めた。ナビィもそばで見守りながら、適切なタイミングで助言を送る。


「一馬、木の繊維が乾燥する前に束ねておいた方がいいわ。そうすれば、乾燥させる時間が短くて済むし、燃料としての価値も高まるの。」


一馬はナビィの助言に従い、木を適切なサイズに切り分けた後、束ねていった。乾燥させるために束を整え、しばらく日光にさらす。その後、乾燥した木を引き車に積み込んだ。


数日後、乾燥が十分に進んだ牧の束を引き車に積み込んだ一馬は、再びナビィに道案内を頼んで町に向かった。町に到着すると、市場の一角で牧を売る場所を見つけ、商人に話しかけた。


「こんにちは、今日は薪を持ってきました。良質な木材でしっかり乾燥させています。暖炉やストーブに最適だと思います。」


商人は一馬の言葉を聞き、興味深そうに薪を検分した。「確かに、いい薪だね。寒くなる季節が近いから、これから需要が高まるだろう。いくらで売るつもりなんだ?」


一馬は適正価格を提示し、商人も納得してその価格で買い取ることに決めた。取引が終わり、商人から金を受け取った一馬は、これでまた次の準備ができると満足そうに笑みを浮かべた。

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