第11話 新しい道具

クレストンの市場で、一馬は米を売るために商人に声をかけた。彼が米袋を差し出すと、商人は一馬を見上げ、怪訝そうな顔をした。


「見ない顔だねぇ。どこから来たんだい?」商人は興味津々で尋ねた。


一馬は微笑んで自己紹介をした。「名前は高橋一馬。少し離れたところにある放置されていた農場を借りて、最近そこに住み始めたんだ。まだ新参者だから、町にはあまり顔を出していなかったけど、これからはちょくちょく来ることになるかもしれないな。」


商人は一馬の話を聞いて、うなずいた。「なるほど、そんなところがあったんだね。それにしても、こんなに立派な米を持ってきたとは驚きだ。いくらで売るつもりなんだ?」


一馬は米の価格を提示し、商人は少し考えた後、納得したようにその価格で買い取ることを承諾した。取引が終わると、一馬は受け取った金を握りしめながら、町を歩いて他の商品を見回った。


「ナビィ、次は引き車を買いたいんだ。これがあれば、これからの作業がずっと楽になるはずだ。」


ナビィは頷いて、一馬を引き車が売られている店へと案内した。小さな引き車は市場の端にある店で売られており、頑丈な作りで使い勝手が良さそうだった。


「これなら、米や収穫した作物を運ぶのがもっと簡単になるな。」一馬はそう言いながら、引き車を購入した。これで農場での作業が少し楽になるだろう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る