第53話 弓って強いの?

 リンダールさんが、別荘を好きにして良いと言うので、一人でせっせとリフォームを。


 色んな職業が体験できるようにしたいからな…とりあえず冒険者ギルドみたいな感じで作っていこう。


 1階、入り口から入るとテーブルと椅子、だいたい30人くらい座れるようなスペースで、向かって右側にバーカウンターとキッチンを作る。


 反対側にはお風呂を2箇所。

2階は全て個室で40部屋と10人くらい入る会議室を2部屋。


 地下には訓練場と、お風呂を2箇所。

 お風呂は全部で4箇所にした。


 外には魔法の訓練場と、鍛冶場をそれぞれ作り、あとは俺専用の小さい家も作った。


 夜な夜な…ね。


 もちろん、俺専用の家にはグランデのお店と行き来出来るように転送魔法陣を設置。

 アリアナ、アマンダ、バロック、ローラがいつでも王都に来れるようにしてある。


 お世話になってるルドルフさんにも教えて、荷物のやり取りに使ってくれればいいと言ったら喜んでくれた。


 2週間くらいかけてリフォームが完了し、いよいよ皆んなにお披露目。


「皆んな、ここが王都の俺達の拠点だ」

「「「「おおーーーー!!」」」」


 お披露目したのは、バッツ、カリー、ナターシャにクリス、カルロス。


「聞いてると思うが、クリスとカルロスは今日からここに住んでもらう」

「「ありがとうございます!!」」

「すげ〜ぞクリス!!貴族の屋敷よりデカい」

「うん!!夢みたいだね!!」


「大師匠。私はここに住むなんて聞いてないんですけど?」

「ナターシャ、お前は自分で稼ぐ力があるよね?泊まりたいなら一泊金貨1枚ね」

「ひどい!!そんな!!私だってここに住みたいです。バッツ師匠、なんとか言ってくださいよぉ〜」


 目をうるうるさせながらバッツにしがみつくナターシャ。


「俺に言われてもな…」

「うぅ…バッツししょ〜」

「あぁ〜分かったよ!!ロドニー、ナターシャも一緒に住まわせてあげれないか?」

「お金を払うならいいぞ。ちなみに、バッツとカリーもここには部屋はないから、二人は空き地に家を建てて住んで欲しい」


 皆んなにこの施設を作った思いを伝えた。


「さすがに一泊金貨1枚は高いから安くするけど、クリスとカルロスも自分で稼げるようになったらお金とるからな」

「なるほど。そう言うことなら、ここに住みたいので、お金払います!!」


「まぁ実際今のナターシャで、どのくらい稼げるか分かってないから、皆んなの意見を聞きながら金額は決めていこうと思う」

「分かりました!!」


「とりあえず施設の中を一通り説明するから付いてきて〜」


 とりあえず皆んなを連れて一通り説明。


「お酒も置いてある。本格的にバーで働く人が決まるまではとりあえず好きに飲んでくれ」

「いいんですか?」

「あぁ。その代わり、稼げるようになったら、お酒補充するようにしてくれよ?」

「「「はい!!」」」


 まだまだ決めなきゃいけないことが沢山あるが、とりあえず王都の拠点は完成した。


「あと、1週間後にお世話になった人達を招待してパーティーするから、皆んな準備して手伝ってね?」

「「「は〜い」」」


 それから俺はお世話になった人達に会いに行って直接招待状を渡し、必要であれば、俺が転移で送り迎えはすると伝えた。


 ルドルフさんとかワーグ商会以外の人には、転移魔法陣のことは内緒だ。

 リンダールさんがダンジョン以外で使うと言ったらそれまでなのだが…


 ギルド間でも転移魔法陣を繋げばいいのにと言ったら、色々と、うるさい貴族がいるから難しいらしい。領土を通る時の通行税みたいな話だ。


 貴族ってめんどくさい。

 そんなこんなで1週間後。


「皆さん、今日はようこそ起こし下さいました。時間のゆるす限りごゆっくりして行って下さいね。あと、お風呂もありますので、入りたい方はご自由に。男女だけ間違えないようにお願いしますね」


 皆んなそれぞれの時間を過ごした。

酔った勢いで、地下の訓練場を使い、弟子達トーナメントが開かれたりなどもした。


「おい、ロドニーよ、俺も呼んでくれてありがとな!!」

「ドルクさん。良いお酒が手に入ったので呼ばない訳にはいかないでしょ?」

「ガハハハ。そうだな。あと、鍛冶場を見たけど、すげぇな!!」

「あぁ。ドルクさんが良ければですが、好きに使って下さい」

「本当にか⁉︎」

「その代わり、鍛治をやりたい、習いたいって子が出てきたら教えてあげて欲しいです」

「ガハハハ。そう言うことか!!」


 ドルクさんは、笑いながらまたお酒を注ぎにどこかへ。割と本気で使って欲しいんだけどな…また改めて頼もう。


 パーティーも終わり、皆んなが酔い潰れて寝てる中、俺は一人、バーカウンターでお酒を飲んでいる。


 バッツとカリーと世界を旅しようとか言いながら、王都にこんな施設を作ってしまった…

 まぁゆっくり旅していこう。


「ロドニーさん」

「クリス、起きてたのか」


 クリスと一緒にカルロスもいる。


「まぁ座れよ。で、バッツとカリーと一緒にダンジョン潜ってどうだ?」

「はい。バッツ君に僕は弓が向いてるって言われまして、実際にすごく簡単に魔物は倒せるようになりました。ただ…」


「ただ?」

「弓だと、魔法とかで簡単に防がれちゃうので、強い敵とどうやって戦えばいいのか分からなくなりまして…」


 なるほど。バッツとカリーにも相談したが、二人も弓使いと出会ったことが無いから、よく分からないとなり、俺に相談してみようとなったのだとか。


「なるほど…俺も考えてみるよ。何か良いアドバイスが出来たら教えるね」

「よろしくお願いします」


 カルロスも頭を下げてきた。二人で強くなりたいってことなんだろう。


「なら俺はそろそろ寝るよ」


 お酒を片付け、自分のログハウスへ。

弓か…普通に考えると風魔法で補助したり…それでも補助なんだよな…

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