第46話 魔女の館

 一通りザックで遊んだ二人はご機嫌なまま王都へ転移。


 朝日が眩しいぜ…


 一応、ザックも合わせた4人でギルドへ行き、ちゃんと生きて返しにきたと報告することに。


 しかし、ギルドへ入った途端に受付嬢が走ってやってきて、そのままギルドマスターの部屋へ連行。目の前にはものっすごい笑顔のリンダールさん。


「ロドニー君、ザック君を無事に返してくれたのはいいですが、君、ギルドの壁に銀貨をめり込ませてましたよね?」

「えっ⁉︎いや、はい。そのつい…」

「ついとは何ですか?ついとは?」

「このザックが先に銀貨で攻撃してきたから、やり返しました。そしたら壁に…」


 っふぅ〜とため息をつくリンダールさん。


「次何かやったら、とってもめんどくさいクエストをやってもらいますからね?いいですね?」

「はい…」


「それで、ザック君」

「……」

「あなたも今までどれだけ人に迷惑をかけてきたのか分かってますか?」

「……」


 何も言わないザックにカリーが一言。


「ザック?」

「⁉︎はいっ!!申し訳ありませんでした!!」


 綺麗な土下座をキメるザック。


「えっと…え?あなた、本当にザック君ですか?」

「はい。本当に申し訳ありませんでした!!」


 あまりの変わりように目をパチパチさせて戸惑うリンダールさん。


「えっと、誰か説明してもらえません?」


 俺とバッツは揃ってカリーを見つめる。


「うふふ。ちょっと教育してあげただけです。ねぇ?ザック?」

「は、はぃーーー!!」

「ギルドマスター、今後も教育が必要な冒険者がいたら、教育してあげてもいいですよ。なかなかに面白かったですからね」


 さーっと笑顔が引き攣るリンダールさん。


「え、えぇ、その時はお願いします。では、もぉ大丈夫ですので、今後ともよろしくお願いします。あと、ロドニー君は壁の修理費を請求しますので、受付で払うように」

「はい…」


 とりあえず今日は解散となり、明日まで自由行動とした。

 俺は素直に壁の修理費を出し、ギルドを後にする。まだ朝だからな…少しだけ寝てから夜の繁華街へ向かうとしよう。


 宿に行き仮眠をとる。

 起きると、ちょうど夕方。軽く食事をしてから繁華街へ向かう。


「おぉ。ロドニー、昨日来なかったから心配したぞ」

「グレイさん、どうも。ちょっと色々ありましてね…」

「そうか、まぁなんだ。今日はゆっくり楽しんでいきな」

「あはは。そうします」


 昨日身分証を見せたから今日は顔パスで入れた。ある程度のお店は昨日見てたんだが、改めてゆっくりと見て周る。


 色んなお店があり、結局分からないので、行かない店を決めることに。


 あまりにも安すぎるところ。変な趣味の所は…まだいいか…普通のお店に飽きたらそのうち行くかもだけど、今は興味ない。


 とりあえず少し高めの【魔女の館】という店へ行くことに。


「いらっしゃいませ。当店は初めてでしょうか?」

「えぇ。初めてです」


 時間と料金の説明を受け、女の子を選ぶ。

魔女というコンセプトなので、魔法使いみたいな服装なのだが、スカートが短かったり、透けてたりと、エロエロ魔法使いばっかり。


 今から入れる子から、エルフのセレーナさんを選んで部屋へ。なんでだろうか、やはりエルフへの憧れってあるよね。


 部屋へ入ると魔法で服を脱がされたりと、一応魔法使いコンセプトも守っていた。


「それで?今日はどんなことされたいの?」

「僕の魔力が暴走しそうなんだ…抑えてくれないかな?」

「あらそれは大変ね!!どれどれ」


 なんかノリで言ったらセレーナさんノってくれたよ。ありがとう…そしてなんかごめん。


 ある程度俺の魔力暴走を収めてもらったので、今度は俺がセレーナさんにお礼をすることに。軽いマッサージから初め、身体をリラックスさせてから魔力の根源を攻める。


「ちょ、はぅ。んぐっ。だ、だめ…」


 透明で綺麗な魔力水が飛び散った。

ぐったりとするセレーナさんに回復魔法をかけてあげる。時間はまだあったので、またマッサージをしてあげた。


 夜の蝶のエルフ、サマンサさんの時には調子にのって攻め過ぎて店長に怒られたからな。同じ過ちは犯さない。女の子を癒しこそすれ、疲れ果てさせたい訳ではないのだ。


「セレーナさん、今日はありがとうございました。お陰で明日からも頑張れます」

「ロドニー様…また絶対来てね?約束よ」

「えぇ。約束です」


 お店を後にして夜食と軽くエールを飲み帰ることに。


「おぉ、ロドニー、もぉ帰るのか?」

「グレイさん。えぇ。また明日からダンジョンへ行くので今日はゆっくり寝ます」

「そうか。冒険者も大変なんだな」

「そうでもないですよ。楽しいです」


 グレイさんと軽く挨拶を交わし、宿屋へ戻り、ベッドに吸い込まれる。


 翌日


 集合場所などの約束はしてなかったが、なんとなく食堂へ行くと、同じタイミングで皆んな来ていた。


「おはよう」

「おはよう。なぁなぁ、今日から新しいダンジョンだろ?どの武器使うかな〜」

「おはよう。そうね。そう言えばロドニー、魔石を使った転移魔法陣は?」


「あぁ。なんとなくは出来たんだが、もう少し消費魔力を少なくしたいなと。カリーどう思う?」

「どれどれ?そうね…全く分からないわ」

「え?あぁちょっと待って、簡単に真似されないように無駄な情報も入ってるからね」


 俺は無駄な情報を抜き取り改めてカリーに見せる。


「なるほど。ちょっと考えさせて」

「あぁお願いするよ」


 ご飯を食べ終え、次のダンジョンへと向かう。たまには馬車での移動もいいかなと思ったのだが、バッツが早く魔物を狩りたいと言うので、空の旅にした。


「なんか、ドラゴンとかグリフォンとか、魔物を使役して、魔物に乗って空が飛べたら良いのにな」

「たしかに!!それカッコいいな!!」

「使役魔法。ロイルさんに聞いたら何かしってるかな?」

「ん〜どうなんだろう。魔物と意思疎通できたら出来たで倒し辛くなるかもよ?」

「たしかにそうかもね…」


 なんでも有りの世界。使役魔法も考えれば作れるかもな〜。スライムとかで色々試してみるかな?

 最強と言えばスライムだろうし…

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