第43話 いざ、王都歓楽街!!
ドルクさんに頼んだ装備が出来上がるまで、ひたすらブラッドオーガを倒す日々。
ブラッドオーガの魔石は金貨20枚で売れるのだが、その魔石がもうすぐ100個集まる。
一気に冒険者ギルドに売るのは申し訳ないので、アイテムボックスの肥やしになってるのだが、いつか何かで使えたらなと思う。
いつか使おうと思うやつはきっといつまでも使い道がないのだろうが…
ブラッドオーガも倒し飽きてきたので、相談の結果、装備ができたら、少し遠い方のダンジョンへ行くこととなった。
あと、魔石で動く転移魔法陣を考えて冒険者ギルドに売るって話をしたら、二人とも賛成してくれた。色んな人の役に立つなら良いことだしな。
ドルクさんの装備が出来上がる日
「こんちには〜」
「おぉ来たか!!まってたぜぃ」
奥へ通され出来上がった装備を見る。
「おぉ!!すげー!!」
バッツはさっそく自分の剣を手に取り、感触を確かめる。
「良い剣だろ。ドラゴンの爪全部使うことになっちまったが、強度もばっちりだぜ」
「重さも良い感じ、ありがとうドルクさん」
その流れでバッツの防具も見る。
「ほれ、こっちが鎧な」
「おおーー!!これもかっけぇー!!」
レッドドラゴンの少し暗めの赤色の鎧。
少し威圧的なデザインがまたカッコいい。
「ドラゴンの鱗だからよ、軽さと強度はバッチリ、魔法も効きにくい、どうだ?動かしにくい所があったら言ってくれ。調整するからよ」
「分かった、ちょっと外で軽く動いて確認して良いか?」
「おぅ。そこの扉から庭に出れるぞ」
新しいおもちゃを手に入れた子供のようにはしゃいで外へ。
「もぉお兄ちゃん子供じゃないんだから…」
「えっと、次はこれだ。杖とローブ」
出てきたのは、赤黒く、
「嬢ちゃんは白が似合うと思って白くしたんだが良かったか?」
「素敵。ありがとうございます。でも、どうやって白くしたんですか?」
「染色魔法があってな、繊細な魔力コントロールが必要で難しいんだが、ドラゴンの素材は素直に染まってくれたぜ。すげぇなドラゴンってのは。ガハハハ」
ローブにはドラゴンの皮が使われていて、これも魔法耐性がある。端の部分には金色に染めたドラゴンの鱗で装飾がほどこしてあり、バッツの威圧的な鎧とは真逆の優しい印象を受ける。
「次はこれだな」
出てきたとは黒のローブ。
「俺は黒色か。見た目も落ち着いてていいな」
「気に入ってくれたか?ちっと地味だからどうかと思ったんだがよ。良かったぜぃ。それと、こいつだ。おめぇさん素手で戦うって言ってたからよ」
出してきたのは赤色のグローブ。
指の部分がない、フィンガーレスグローブだったかな?
「おぉ。ありがとう」
「レッドドラゴンの素材だから、一応みんな赤色があった方がいいと思ってな」
「チームカラーってことか。だとすると一番赤が多いバッツがリーダーみたいになるな」
「ガハハ、ちげぇねぇ。まぁ色だけなら後でも変えれるからよ、いつでも言ってくれ」
それぞれの装備の感覚を確認して、お礼を言ってドルクさんの家を後にした。
「カリー、今まで杖無しで魔法使ってただろ?魔石の杖を使うと感じになるんだ?」
「私もまだ使いこなせてないけど、この杖すごいよ。消費魔力が少なくなったのと、レッドドラゴンの魔石だからかな?炎系の魔法の威力が上がったの」
魔石の属性が関係してくるのか。
「私もお兄ちゃんみたいに色んな杖を集めてみようかな」
「お?カリー、ついにお前も武器の良さが分かってきたか⁉︎今度一緒に武器屋巡りでもしようぜ」
「そうね。面白そう」
「あはは。なら、ここで解散にするか?俺は冒険者ギルドでオーガの魔石と角とか売ってくるよ」
「いや、ロドニーだけに任せるのも悪いから、冒険者ギルドも付き合うよ」
とりあえず皆んなで冒険者ギルドへ向かうことになった。
お昼近くだったからか、ギルドは比較的空いており、買い取りカウンターへすんなりと行けた。
「こんにちは。買い取りですね?ではこちらへ素材をお願いします」
元気な受付嬢が対応してくれる。
「ではこれをお願いします」
ダンジョンでテキトーに狩った普通のオーガや、オーク、コボルトの魔石をテキトーな数と、ブラッドオーガの魔石と角を5個置いた。
「え?」
「え?何か問題が?」
「いや、こんなに数を持ってこられるのが初めてでして、すいません。計算するので、少しお時間ください」
「分かりました。では、夕方くらいで大丈夫でしょうか?」
「えぇ。それまでには計算しておきます。申し訳ありません」
今度からはもう少し少なくして出そう。
「どうする?このまま解散でもいいけど」
「そんなこと言うなよ。とりあえず自由行動で、また夕方に持ってくる。な?」
「そうだね。ロドニーにばっかり負担はかけれないよ」
いや、俺はどちらかと言うと王都の夜のお店を見て周りたかったから、一人が良いだけなんだけどな…ギルドに皆んな集まると、またそこから夜ご飯とかなって…まぁその時はご飯食べて解散でもいいか。
一旦解散し、俺は変装魔法を使い、夜のお店の場所を探してみることに。
まぁ変装魔法使ってようが、リンダールさんみたいに魔力を見たら分かる人には俺ってバレるんだけどな…
王都には歓楽街が2ヶ所あり、少し高級な方と一般的なのと分かれている。
めんどくさいトラブルを避けたいから高級な方へと向かう。
歓楽街の入り口には人が立っていた。
黒色のビシッとした服で銀色の髪のオールバック。
「待て、身分証を確認しないとここから先には入れない」
「身分証ですか、これです」
素直に冒険者カードを出す。
「Sランク!!」
「えぇ。入っても?」
「あ、あぁ」
すんなり通してくれる。
本当にSランクなのか?みたいな展開になると思ってたのにな。
「あの、自分で言うのもなんですが、本当にSランクなのかって疑わないんですか?」
「は?いや、別にそれが本物だろうが、偽物だろうが俺には関係ない」
「じゃぁなんで身分証を?」
「ただの年齢確認だよ。それに、もしそのカードが本物だった場合、俺はSランク相手に喧嘩を売ったことになる。偽物だったとしても、冒険者カードを捏造してるヤバいやつか、その関係者だろ?どっちにしろ関わらない方がいい」
「あはは。なるほど。自分の身を守るための賢い選択ですね。名前を聞いても?」
「俺か?俺はグレイだ」
「グレイさんですね、僕はロドニー、本当にSランク冒険者です」
そう言って自分の変装を解く。なぜか?単純にグレイさんを気に入ったから。信用してもいいかなって。
「へぇ〜変装して大人にみせてたって訳か」
「なんか問題が起きてもすぐに逃れるようにですけど」
「賢いな」
「それでグレイさん、一つ聞きたいことがあるのですが、グレイさんのオススメのお店ってどこですか?もちろん、女の子がサービスしてくれるお店です」
自分で見つけるのも楽しいが失敗した時を考えると聞いた方がいいだろう。
「あぁ〜、悪いんだが、知らねぇよ。ってかそんな金あったらこんな仕事してねぇっての」
「あはは。そうですか。じゃぁ自分で探します。今はあまり時間なくて、なんとなく見て周るだけなんで、また改めて夜に来ますね」
「あぁ。待ってるよ」
そのまま軽く高級歓楽街を見てまわり、なんとなくの目星を付け、冒険者ギルドへ戻ることにした。
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