第31話 王都のギルドマスター
蒼炎のメンバーとの試合も終わってしばらく経ったある日。俺はハージノ町のギルドマスターに呼ばれて冒険者ギルドへ。
「サニーさんおはようございます」
「ロドニー君、おはよう。マスターから聞いてるわ。そのままマスターの部屋へお願い」
「分かりました」
ギルドマスターの部屋の扉をノックする。
「ロドニーです」
「おぉ。入っていいぞ」
「ロドリゲスさん…おはようございます」
部屋にはもう一人知らない人がいて、その人の目をみて挨拶した。
「初めまして、私は王都の冒険者ギルドのマスターをしてます、センシア・リンダールです」
「王都の⁉︎…初めまして?ロドニーです」
王都のギルドマスターは中性的なエルフ。声からして男性なのかな〜。たぶん…
「おや?何か気になることでも?」
「いや、その姿では初めましてですが、何度も会ったことありますよね?昨日もうちの両親のお店で楽しそうにしてた記憶が…」
「あはは…いや〜バレてましたか。私もまだまだですね。でも何故分かったんです?」
「魔力の流れが綺麗すぎて逆に目立ってましたよ?」
「あはは。そうでしたか。いや〜お恥ずかしい」
長年魔力操作をやってきたのだろう。変装も魔法でしてたみたいだし、すごい魔法使いなんだろう。
「すでに分かってると思いますが、君を正式にSランク冒険者として迎えることになりました。これがSランク冒険者カードです」
「おぉ!!Sランク。ありがとうございます!!」
そう言えばSランクになったことは聞いたけど、カードはまだだったな。
「あと、今日はもう一つお話がありまして」
「もう一つですか?」
「ええ。君と一緒にいた、バッツ君とカリーさん。あの二人は君のパーティーメンバーでしょうか?」
「えっと、あの二人は今一緒に修行してますが、パーティーを組んではいないです」
ん〜カリーが冒険者になった後はどうするのかな?なんとなく3人で行動はしてたけど…
「なるほど。いや、蒼炎との試合を見てまして、バッツ君もカリーさんもAランク以上の実力をお持ちのようなので、もし、Sランクのあなたとパーティーを組むのであれば、あの二人に限りAランク冒険者に昇格しても問題ないなと思いまして」
「実力は間違いないから、護衛任務とかもなしでAランクってことですか?」
念のため確認する。
「ええ。ただし、あなたと同じパーティーの場合です。違うのであれば正式な方法でランクを上げてもらうことになります」
「俺と同じパーティーの時限定なのは何故でしょうか?」
「そうですね。ちょっと特殊ですが、あの二人の実力は問題ありません。しかし、冒険者としての経験が無いので、そこをあなたが補うと言うことです」
「いや、俺も冒険者としての経験あまり無いですよ?」
リンダールさんが悪そうな笑顔になる。
「Sランク冒険者になったんですから経験も何もないですよ。ただし、あの二人が何かやらかした場合の責任はあなたに来ますが」
「あ〜…」
俺が責任もって二人の面倒見るのなら二人をAランクにしてもいいぞってことか。
「たとえば、パーティー組んで、色々あって解散した場合はどうなるんですか?」
まぁあり得ない話ではない。
「なるほど。そうですね、1年未満であればDランクに降格。1年以上活動した後の解散の場合はそのままAランクにしましょう」
「分かりました。ちなみに返事っていつまでとか決まってますか?」
「とくに決めてはないです。カリーさんが冒険者登録できるようになってからで大丈夫です」
「分かりました」
まぁ今後どうするかは俺じゃなくてあの二人の意見が大切だし、俺はどっちでもいいか。
カードも受け取ったし、ロドリゲスさんと訓練の話をして部屋を後にした。
家に帰り、みんなにSランクカードを見せて報告。今日はお祝いになった。
翌日、グランデの街へ行き、ルドルフさんにもSランクカードを見せ報告。
「ふぉっふぉっふぉ。ロドニー君、おめでとう」
「ありがとうございます。Sランクになったので、もし、魔道具関係で製作者が知りたいと問題になる人がいたら僕の名前出して下さいね。貴族と揉めても一応大丈夫な立場になったみたいなので」
「あぁ。その時はそうさせてもらうの」
「あと、本格的にお店をやろうと思ってます。今から商業ギルドで登録して物件を探すので、また決まったら色々と注文させてもらいますね」
「それは楽しみじゃの。よろしく頼むの」
ルドルフさんと別れて商業ギルドへ向かう。中に入ると受付カウンターと、小部屋がいくつかあり、落ち着いた雰囲気だ。
「すいません。登録をしたいのですが」
「ありがとうございます。ではこちらの用紙に記入をお願いします」
用紙には名前と年齢、登録する目的を書く欄があり、お店を開きたいと書いて渡した。
「あっ。ロドニー様ですね。ルドルフ様から色々とお伺いしております」
「ルドルフさんから?」
「えぇ。あなたと出会って人生変わったとまで言っておりましたよ」
「そこまでですか…なんだか恥ずかしいですね」
「ふふっ。それで、今日は登録のみで帰りますか?」
「いや、お店を開く用の物件を見たいなと思いまして」
「かしこまりました」
貴族街に近くて少し静かなところがいいと伝えると何件か紹介できるとのことで、早速物件を見に行くことになった。
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