第30話 リーナ・エンリケvsロドニー
何故か俺だけ2対1で戦うことになり、しぶしぶ?OKしたが、どうやって戦おうか…
正直、手加減するのってあまり得意ではないからな…
「えっと、リーナさん、エンリケさん、よろしくお願いします」
「久しぶりねロドニー。Sランクに上がるあなたに、どこまでやれるか、色々試させてもらうわ」
「よろしくたのむ」
さっさと終わらせることもできるが、ここは試合だし、一応俺もギルドマスターのとこで修行してきた身。色々試してみよう。
「試合初め!!」
ギルドマスターの掛け声と共にさっそく動き出すリーナさんとエンリケさん。
エンリケさんが盾を使いながら俺の攻撃を警戒、隙ができたらリーナさんが攻撃を仕掛けてくる戦法。
「ん〜まぁいいか」
俺は遠慮なくエンリケさんの盾に向かってパンチを繰り出す。
「くっ。重い…」
「いや〜これくらいは防いでもらわないと困りますね。もっと行きますよ」
俺は拳の連続攻撃を繰り出し、エンリケさんの盾を粉砕。
「あ。やりすぎたかな…」
「たっ盾が…」
「エンリケ、私が行くわ」
盾が壊れたと分かったとたんにリーナさんが攻撃を仕掛けてくる。
斥候の役割を担ってるだけあり、飛び道具を使い、いつでも逃げれる距離感を守る。
「ん〜先にリーナさんをどうにかしないとダメですかね〜」
「のんきに考え事?舐めてる男は嫌いよ」
美女のリーナさんに嫌われてはいけない。
俺はリーナさんをしっかりと見てニコッと笑う。
『🎶ダメだリーナ。それ以上踏み込むな!!』
「えっ⁉︎」
音魔法を使い、エンリケさんの声を真似てリーナさんに指示を出す。
さらに二人の間で意思疎通できないようにサイレント魔法を使用。俺の音魔法だけが聞こえる空間にする。
『🎶サポートお願い!!』
エンリケにもリーナさんの声でテキトーな指示を出す。
「?」「⁈」
何が起こったのか分からず二人は目を見合わせる。
さすがにずっと行動を共にしてきただけあって瞬時に俺に何かされてることを理解。
二人は連携を取るのをやめ、個人戦に移る。
それを感じて俺はサイレント魔法を解除し、二人の声の音魔法だけは継続。
『🎶リーナ行くぞ』
『🎶あなたの言葉は信じないわ』
「くそっ偽物のの声が」
「私は騙されないわ!!」
『🎶気をつけろ!!』
色んなとこから声がして、戦い辛そうな二人。まぁあの二人には戦い辛いってだけで、あまり支障はないんだな。
「じゃぁ次の段階に移させてもらいますよ。ダークネス」
俺は二人の視界を闇にした。
「目、目が…」
『🎶ちょっと何も見えないわ』
「エンリケ、私の声を信じないで!!」
『🎶分かった』
『🎶さぁ俺はこっちですよ〜』
目を潰して、何を信じればいいか分からない状態になり二人は完全に戦闘不能の状態。
このまま倒してもいいが面白くない。俺はダークネスを解除。
「くっ完全に弄ばれてるな」
「えぇ。初めから分かってたことよ」
「すいませんね。ちょっと試してみたくて。次からは小細工無しで行きます」
俺は身体強化してエンリケさんに突っ込み、肉弾戦に持ち込む。
途中途中でリーナさんの攻撃が俺の動きを邪魔してくる。このままだとめんどくさいな。
「ん〜、そろそろ終わらせてもらいます」
俺は後ろに飛び、一旦エンリケさんと距離をとる。そしてその場でエンリケさんに向かって正拳突きを繰り出す。
「はっ!!」
距離など関係ない。正拳突きから放った振動がエンリケさんに直撃。吹っ飛ばされる。
本当は正拳突きなんてしなくてもいいんだけど、なんとなくやってる。
「次はリーナさんあなたの番です」
「負けない!!ダブル!!」
おお〜!!リーナさんが二人になってるではないか!!
「ほぅ分身魔法ですか。すごいですね!!でも俺には意味のない魔法です」
「舐めるな!!」
分身と二人がかりで攻撃をしかけてくる。
「ん〜動きが単調ですよ。リーナさん一人の方が手強いですね」
俺は分身の方の手を掴んで、エンリケさんの方に投げ飛ばす。
「えっ⁉︎」
「ぐふっ!!」
「エンリケさん、いつまで倒れてるんですか」
「くそっ。次は俺の番だ!!闇纏!!」
エンリケさんの影が浮き上がり、身体にまとわりつくように動きだす。
闇の鎧を纏った戦士の出来上がり。
「おおーー影の鎧!!」
「おまえの音、振動の攻撃もこれは通さない」
影の鎧は攻撃を闇に吸収されるようで、パンチしても当たった感触がなく、音の衝撃も吸収する。
「あ〜僕の攻撃、こういう対策もあったんですね」
「ずっと音に対する防御を考えてたんだ」
「っふぅ〜」
一呼吸おいてまずリーナさんを結界に閉じ込めて行動不能にする。
「えっちょ、何よこの結界!!えっ水?」
そう。結界の中が少しずつ水が溜まっていく仕組み。
次はエンリケさんの影の鎧、どうやって攻略するか。普通に消すこともできるけど、それだと面白くない。殴っても効果ないし…
「色々と試してみよう。ファイアランス」
「無駄だ」
「魔法も吸収しますか。じゃぁこれはどうですか?重量魔法」
エンリケさんの周りの重力を3倍にしてみる。
「くっ…身体が…」
「なるほど。重力は吸収できないみたいですね。じゃぁそのまま動かないでくださいね。次は光魔法行きます」
俺は人差し指と中指を自分の額に当てて叫ぶ。
「まか○こーさっぽー!!」
緑の人の必殺技を光魔法で再現。一度やってみたかったんだよな。
次はファイナルフ○ッシュとかもいいな。
よく見ると光魔法が当たったとこは闇の鎧が無くなる。
「光魔法も有効なら、光魔法を手に纏ってパンチすれば良いな」
俺は重量魔法を解除し、拳に光魔法を纏う。
「では続き行きますよ!!」
「あくまで打撃にこだわるか…くそっ」
俺の聖なるパンチがエンリケさんの闇の鎧を破壊して試合は終わり。
「ち、ちょっと私のことを忘れないで!!」
「あっ。忘れてました…」
リーナさんの結界魔法を解除し、濡れてた服とかも元通りにする。
水魔法使いっぱなしだったの忘れてた…
蒼炎のみなさんとの試合も終わり、酒場に移動してみんなで色々と話をした。
だいたいはお互いの戦闘の振り返りと、改善点など。、蒼炎のみなさんも俺ら年下の意見をしっかりと聞いてくれた。
ライラさんとカリーは魔法陣に関して色々と意見交換をしており、魔法発動キャンセルのやり方や、魔法で動物を作って見せ合いをしている。
「なぁバッツ、お前なんで俺の動きが真似できたんだよ?」
ランスさんが素直にバッツに聞く。
「ん〜、なんでって言われましても…才能?」
「才能って…じゃぁお前あの炎の剣、あれは?」
「あれは簡単ですよ。身体強化する時に強化率を上げていくでしょ?それと一緒です」
「?強化率って?」
「え?えっと、こぉなんて言うか…」
ランスさんはバッツから強化率を聞きたいが、バッツも上手く説明できていないな。
「ねぇロドニー、私のダブル、動きが単調って言ったわよね?」
「リーナさん、そうですね。情報処理が上手くできてなくて、動きが読みやすかったです。正直リーナさん一人の方が強いと思います」
「ロドニーだったらどうする?」
「ん〜、オートで動く魔法陣を組み込むか、常にダブルの状態で生活をして慣れるかですね」
「なるほど」
「ロドニー、俺の闇纏は?」
「あ〜、エンリケさんのやつは、身体に纏うんじゃなくて、盾とか、壁で防ぐ方が使い勝手がいいかなと」
「なるほどな」
色んな話をしながら飲み明かした。
その後、蒼炎の皆さんとルドルフさんはグランデの街へ帰り、俺たちはいつもの修行の日々に戻る。
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