第20話 いざドラゴン退治
「ここから南に30キロのとこにある山でレッドドラゴンが目撃されてな。事実確認とできれば討伐をお願いしたい」
「それは僕1人でってことですか?」
「いや、実はな、ルイスが兵を連れて先に行っている」
「兵?領主様の兵ってことですか?」
「そうだ。レッドドラゴンはAランク冒険者が5人いてやっと倒せるかぐらいの強さなのだが、街の安全は俺が守ると言って行ってしまったんだよ」
「だったら任せれば良いんじゃないですか?」
「正直、領主様の兵は魔物との戦いに慣れてない。ルイスもBランクで実力者ではあるが、無謀な戦いだ。だが、ギルドとしては止めることができない…」
なんか貴族って自分さえ良ければいいってイメージしか無かったんだけど、ギルドマスターが言うようにルイスって貴族は人の為に動く良い人なんだろうな。
「なるほど。分かりました。とりあえず皆さんが無事に帰ってこれるようになんとかしてみます」
「ほんとか!!ありがとう!!」
「ただ、一つだけお願いがあります」
「なんだ?」
「今、俺が育ててる子が2人いまして、そいつらも連れて行きたいです」
「育ててる?強いのか?」
「オークキングをソロで簡単に倒せる実力です」
「ソロで⁉︎分かった。許可しよう」
「ありがとうございます」
さっそく2人を探して準備をする。
「よし、2人とも準備はいいか?」
「「OK」」
浮遊魔法を使い、レッドドラゴンが目撃されたと言う山へ向かう。
今回はルイスを活躍させた方がいいのだろうか?後から来てドラゴン倒したら文句言われないかな…
「なぁロドニー、領主様の兵ってあれじゃないか?」
バッツが指す方を見ると休憩している団体を発見。
「たぶんそうだな。どうする?合流する?」
「どっちでもいいよ」
「そうだな。せっかくだから領主の兵の実力も見てみたいし、合流するか。一応ギルドマスターにみんな無事に連れて帰るって言っちゃったしな」
さすがに休憩してるとこの上から現れるとびっくりするかと思い、少し離れたとこに降りて休憩してるとこへ向かう。
「止まれ!!」
兵の1人に声をかけられる。
「こんにちは。Aランク冒険者のロドニーと言います。ギルドマスターの依頼で来ました」
冒険者カードを見せる。
「そっちの2人は?」
「一緒に行動しているバッツとカリーです」
「まだ子供じゃないか…悪いことは言わないから帰った方がいい」
「注告はありがたいが、こちらもギルドマスターから依頼を受けてるんですよ」
「ん〜、ちょっと待ってくれ」
そう言うと休憩してるルイスを呼びに行き、一緒に戻ってきた。
「おやおや、確かロドニー君だったね。ギルドマスターに頼まれて来たって?」
「そうですね。正確にはギルドマスターにレッドドラゴンの討伐を頼まれました」
「ふははははっ。嘘をついちゃいけないよ。ギルドマスターが君みたいな子供に危険な依頼を頼む訳がないじゃないか!!」
こいつ前回俺が気絶させたのを覚えてないのか?
「まぁ信じなくても良いです。一応ここに立ち寄っただけですし、僕らが先にレッドドラゴン倒しても後から文句言わないで下さいね」
「ふはははははっ。面白い冗談だ。ロドニー君、私は優しい貴族だから冗談として済ませるけど、違う貴族だったら冗談で済まされないからね?」
こいつやっぱり何言ってもダメだな…
「何を言っても無駄なようなので、あなた達の目の前でレッドドラゴンを討伐しましょうか?」
「……本気かね?」
「そんな下らない冗談を言う為にこんなとこまで来ると思いますか?」
しばらく考え込むルイス。
「分かった、同行を許可しよう。ただし、死んでも俺を恨むなよ」
「大丈夫ですよ」
レッドドラゴンの目撃情報の場所へ向かいながらバッツとカリーと誰が倒すか相談することに。
せっかくのドラゴンなんだから皆んな色々試してみたいのだ。
相談の結果、カリーのカウンター結界が通用するかを確かめることに。ただ、カリーを危険にさらす訳には行かないので、俺も一緒に結界の中に入る。
結界を試した後はバッツが1人でどこまで戦えるか試して、倒せなかったら俺が最後倒す。
ブレス攻撃が来たらどうしよう…
氷の壁でも作るか。そうしよう。
しばらく歩くと探知魔法に大きな反応があった。カリーに目をやると気付いてるみたいで、まだ少し先だがバッツにも伝える。
「向こうもこっちに気付いたようだな。2人とも、予定通りに行くぞ」
ルイスや兵士達も異変に気付いたようで戦闘体制に入る。
レッドドラゴンは空から来て、いきなりブレスを吐いてきた。
「まじか!!ドラゴンってこんな気性が荒いの?」
予定通りアイスウォールを発動させブレスを防ぐ、なんとか防げてホッとする。
兵士達が驚いてるが無視。
「カリー、予定通りいくぞ」
「了解」
空にいる相手だろうが関係ない。こちらも空を飛び、レッドドラゴンの注意を引く、
空中では自分が有利と言わんばかりの速度でこちらに体当たりをしてくるレッドドラゴン。カリーのカウンター結界にぶつかると、
『ドゴーン!!ギャぁー』
なんかヤバい音がしてドラゴンが落ちて行く。まさか自分に跳ね返ってくると思わなかったのだろう。完全に気を失ってる…
「あ〜、これ倒したんじゃね?」
「えっ?ドラゴンってこんな弱いの?」
「ん〜俺も初めて戦うからな…」
そのまま地面に突撃して動かないドラゴン。
幸いなことにルイス達から少し離れたとこに落ちたのでみんな無事だった
しかし、何故かドラゴンの前へ行き、少し寂しそうに立つバッツ。
とりあえずバッツの横に降りる。
「なぁバッツ、これ多分気絶してるだけだから、ヒールかけて治す?」
「ん〜わざんざ気絶させたのに?」
「だってドラゴンだよ?次いつ会えるか分からないよ?」
「…それもそうだな!!」
笑顔になるバッツ。
「ドラゴンよ元気にな〜れ。ヒール」
「ぶふっ。なんだよそれ」
「なんか思ってたより弱かったから…よし、元気になった。じゃぁバッツ、よろしく」
『ギャーーー!!!』
自分が気絶してたことを自覚してるのか、さっきより気性が荒い。
「おい、赤トカゲこっちだ」
『ギャーー!!!!』
「お兄ちゃんがんばれ〜」
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