第16話 お小遣い稼ぎのつもりが…
「ルドルフさんこんにちは」
「おぉロドニー君どうした?」
俺は今ワーグ商会にいる。
バッツとカリーと同行することが増えるとお金が稼げなくなるから、冒険者以外での金儲けの相談をしにきたのだ。
「実は、アイテムバックについて相談が」
俺はアイテムボックスの魔法が使えるからいらないのだが、アイテムバックがあまり出回ってない貴重な物だと調べて分かった。
そして俺はアイテムバックを作ることができる。それを売ろうと思ったのだ。
「ほぉアイテムバックかの〜。あれはダンジョンでしか見つからないやつだからの、結構高いぞ」
「今、ダンジョンって言いました?」
「そう。ダンジョン、近くだとここから馬車で3日ほど行ったとこかの」
ダンジョンあるのか!!
これはバッツとカリーと3人で行くしかない!!
「あっ、いや、欲しいんではなくてですね、見てもらった方が早いですね」
俺はアイテムバッグを取り出す。
「これ、僕が作ったと言ったら信じます?」
「ふぉっふぉっ。ロドニー君、いくら君でもそんなまさか。ワシをからかいに来たのなら成功じゃな」
「真面目な話です。ルドルフさんだから話しています」
ルドルフさんが今まで優しい目だったのに急にキリッとした商人の目に変わる。
「そうですね。何かアイテムバックにして欲しい物ってありますか?」
「物じゃと?」
「はい。バックじゃなくても、箱とかなんでも大丈夫です」
「ふむ…ちょっと待っててくれ」
しばらく待っていると、ルドルフさんが、1m四方くらいの箱を持って来た。
「これを文字通りアイテムボックスに出来るのかの?」
「そうですね。中の容量はどうしますか?」
「ふむ。よく分からんからできるだけ入ると嬉しいの」
「分かりました」
できるだけ大きい容量で、ちょっとがんばって50m四方くらいにしよう。
俺は箱に手をかざし、魔力を込める。
「はい、出来ました」
「も、もぉ出来たのかの?」
何やらモノクル?スカウター?みたいな片方だけの眼鏡をかけてチェックするルドルフさん。
「なななななななんじゃこれは!!」
「何ってアイテム、ボックス?」
「ものすごい容量なんじゃが⁉︎」
ちょっとやりすぎたか…まぁやってしまった物は仕方ない…
「容量はまぁ、でもこれで信じてくれますよね?」
「え?あっ、あぁ。もちろんじゃ」
「このことは、ルドルフさんしか知らないので、内緒でお願いします」
「内緒も何もこんな話誰も信じないじゃろ」
俺はルドルフさんに言われるがまま色んな物に魔法をかけ、ルドルフさんから白金貨2枚もらった。
金貨2000枚分…2000万円⁉︎
「こ、こんなにいいんですか⁉︎」
「なに、それしか出せなくて申し訳ないくらいじゃよ」
その後ダンジョンの話を聞き、しばらくダンジョンに潜るからと必要なアイテムを購入。また戻ってきた時には顔を出すと約束してワーグ商会を後にした。
その日の夜、宿にて
「えぇ、先日、しばらくはバッツのクエストに同行すると言いましたが、予定を変更して、しばらく皆んなでダンジョンに潜りたいと思います!!」
「「ダンジョン?」」
2人してなぜダンジョンなの?という顔をしている。
「ダンジョンだ。そこでレベル上げと2人の戦闘訓練も行う」
「あの、私はダンジョン入れないよ?」
「そう…なのか?」
「ダンジョンは冒険者しか入れねぇ」
バッツが教えてくれた。
ダンジョンの入り口にギルド職員がいて、冒険者カードを見せないと入れない。
「なるほど、まぁなんとかなるだろ」
「なんとかって?」
「こっそり入る方法を作る。まぁとりあえずそのダンジョンがある場所へ移動する。明日で準備をして、明後日出発だ!!」
と言うことでやって来ました!!
ダンジョンがある街、【アール】
グランデの半分くらいの大きさで色んな種族の冒険者がいる。角の生えた竜族もいる!!
「バッツ、カリー、今日泊まる宿屋を探しておいてくれ。俺は一度ダンジョンに入ってみる」
「分かった。宿を見つけた後はギルドで待ってるよ」
街の端っこにダンジョンの入り口と冒険者ギルドがある。
念のためギルドの受付でダンジョンの説明を受ける。
「すいません。ダンジョンに行くの初めてなので、説明して欲しいです」
「かしこまりました。この街のダンジョンは推奨レベル25のダンジョンとなっております。レベル25と言うのはギルドが調査した結果ですが、あくまでも目安です」
その後も丁寧に説明が続く。
まとめると、
ここのダンジョンは30階層まである。
5階層ごとにセーフティーエリアがあるが、30階層はボスエリア。
出てくるモンスターはスライム、ゴブリン、オークがメインで、ボスはオークキング。
初心者から中級者向けのダンジョンといったところ。
「ありがとうございます。ちなみに、上級者ダンジョンだとレベルどのくらいですか?」
「そうですね、だいたい70ほどですね」
「ありがとうございます」
上級者でレベル70ほどか。
たしか俺の今のレベル15で、オークキングとか色々倒しちゃってるから、レベルはやっぱり目安なんだな…
ダンジョンの地図が売っていたので買ってからギルドを後にし、ダンジョンへ入る。
一目に着かなそうなポイントまで行き、そこに転移のポイントを設置。
そう。この街に来るまでの3日間、ほぼ寝ずに転移魔法の魔法陣を完成させた。
これでカリーも一緒にダンジョンに来れる。
ギルドへ戻り2人と合流、かるくご飯を食べながら、食料を買い漁り、宿屋へ。
「明日からダンジョンへ行くが、基本的に5日潜って2日休みのローテーションで行こうと思う」
「「了解」」
「それと、念のためカリーには少しだけ変装魔法をかる。ダンジョン内で顔を見られて、後から冒険者登録した時に面倒にならないように」
「わかった」
明日からいよいよダンジョン。
どんな感じになるか楽しみだ。
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