第14話 夜の記憶がない…

 レベル確認の部屋の鍵を返す。

ん〜ステータスとか見れないからレベルの概念を忘れてしまう。まぁ仕方ないか。


 ギルドを出ようと思ったのだが、ギルドマスターがちゃんと約束を果たしてくれてるのか確認しないとな…


 受付にUターンした俺はギルドマスターに会いたいと伝えるが今は不在と言われた。

くっ。これでは確認ができないではないか!!


 仕方なく訓練所へ戻り、バッツとカリーに今回仲良くなった冒険者と外でご飯を食べてくる旨を伝え、ついでに銀貨5枚をお小遣いとして渡した。


 素直に娼館に行くからなんて言えないからな。こうなったらギルドマスターが話を通してくれてることを信じて行くのだ!!


 昨日頑張ったご褒美は必要。とは言うものの、夜ご飯はたしかに食べないとな。あの2人にご飯に行くと言った手前知り合いを探すが、ギルドを見渡すが知り合いが居ない。

こう言う時に限って何故だ!!


 仕方なく1人でフラフラと外を歩いて時間をつぶす。


 ふと目に入ったお店に入る。

それなりに人もいて繁盛してそうな店だ。

 空いてるカウンターの席に座りメニューを見ると、アルコールが目に止まる。


 一応、この世界では12歳からアルコールが許可されている。ただ、個人的に20歳という変な固定概念?があるからまだ飲んでいない。


「いや、1杯だけならいいか」


 誰に言うでもなく、自分に言い聞かせるように独り言を言ったら、隣に座ってくる人が。


「何を迷ってるの?」

「あ、アリアナさん⁉︎」

「びっくりした?ちょっと見かけたから追いかけてきちゃった」


 ストーカーしてますと自白してるようなもんだが、銀髪で、少し焼けた肌と、すらっとしたスタイルで、お尻がきゅっとしている。個人的にはドストライクのアリアナさん。これは俺の時代来たな!!


「いや、お酒を飲んでみようかと…」

「へぇ〜なんだか大人びてるロドニー君なのにまだお酒飲んだこたなかったんだ?」

「えぇ、まぁ」

「なら記念すべき1杯目はこのお姉さんが奢ってあげよう」

「い、良いんですか?」


「まぁね。お陰様で臨時収入も入ったしね」

「臨時収入?」

「知らないの?受付の仕事は、将来有望な冒険者を見極めること。その見極めが正しいとなったら、ボーナスが貰えるのよ」


「そうなんですね。初めて知りました」

「ゴブリンの調査とか、その他のあなたの活躍のおかげよ。あなたを信じて良かったわ」

「あぁ。だから急に距離が近くなったと言うか…勘違いじゃなかったんですね」


「どう言う意味?」

「僕に惚れたのかと…」

「あははっ。何それ?私年下に興味ないわ」

「うわっ。僕が1番嫌いな言葉…」

「そうだったの?それはかんかごめん。でもなんでそう思ったの?」


「いや、最近は受付で丁寧な言葉使いじゃなくなったじゃないですか。だから距離が近くなったと言うか、勝手に思い込みまして」

「それだけ?男ってバカね」

「どうせバカですよ」


 なんだかんだ話しているとエールが2杯、目の前に来た。


「まぁなんでも良いわ。とりあえず、これからのあなたの活躍に期待して乾杯」

「ふっ。まぁ活躍するたびにエール奢って下さいね」

「そうね。たまにたらいいかもね」


 それから3時間、かなり飲んだ。

そして妙な友情がこの時生まれたのだった。


お互い何杯目なのだろうか…


「だぁからぁ〜私は、あんたみたいなガキじゃ〜なくて、もっと大人っぽい人が好みなのよ〜」


「分かりました!!もぉアリアナさんは諦めます!!今日は娼館で慰めてもらいます!!」

「きゃぁ〜ガキのくせして娼館とか、背伸びしすぎぃ〜」

「じゃぁ誰が!!一体誰が僕の相手してくれるんですか?」


 うぅ。俺も結構酔ってるな…

俺もどれだけ飲んだが覚えてない…アリアナさんも同じくらいか?


「知らないわよ!!私は、蒼炎のランスさんに口説かれたいのよぉ〜!!」

「ランスさんですか⁉︎あんなやつのどこがいいの?」


「ふふっ、あんたもガキね。ランスさんはねぇ〜、なんだかんだアホっぽく見えてねぇ〜、やる時はやるのよ!!そうよ!!

蒼炎のランスが私の1番のお気に入りなのよぉ〜!! それなのに、あんた!!ランスさんより目立つんじゃ〜ないわよ!!」


「残念でしたぁ〜、今や僕の方があの人達よりランク上なんですよ〜」

「くぅ〜、あんたがあと10年ほど歳上だっら」


「なんですかそれ。じゃぁ10年ほど歳とってやりますよ!!変装魔法!!」

「ぎゃーはっはっはっはっ。あんた誰よ!!ロドニーはどこよ?」


 変装魔法解除


「どうですか僕の10年後!!」

「いたいたロドニー、どこ行ってたのよ?」


 ダメだこいつ話にならねー!!


「もぉいいです!!僕は自分の道を歩きます!!では、そろそろ男の時間を楽しんできますので、僕はこれで失礼します!!」

「何よあんた!!私を1人にする気?」

「うるさい!!年下にいつまでも甘えるな!!」


「うぐっ…そうよね…うぐっ」

「いや、あの、泣かないでもらえると…」

「うぐっ。うるさい!!はやく娼館にでもどこにでも行きなさいよ!!」

「はい。分かりました!!ありがとうございます!!」


「ちょっと待ちなさいよ!!そこは違うでしょ!!」

「ああーーーーめんどくせぇーーー!!!」




「チュンチュンチュン」


 鳥の鳴き声がする。良い朝だ。

 横にはアリアナさん…


「え?」


 アリ…アナさん?


「うぅ〜ん、おはようロドニー」

「あ、あ…お、おはよう、アリ…アナ…さん?」


「…ちょっと何よ…アリアナ、さんって、昨日あんだけ優しく、激しくしてくれたのに…」


 いや、別に、アリアナさんタイプだから良いんだけど、あぁ俺はついに振動魔法を女性に使ったのか?


「ねぇロドニー、その、起きてすぐなんだけど…昨日のが忘れられなくて…またお願いしたいなって…ダメ?かな?」


「えっ?い、良いけど…」


 グッジョブ昨日の俺!!この体はお酒に弱かったからか覚えてないけど、今からもう一度やるのだ!!


 そっとアリアナの体に触る…


「………どこ触ってるのよ?」

「え?どこって、む、む、おっぱ…ぐへ!!」


 渾身のストレートが俺の顔に…


「変態!!昨日は背中とか肩とかだったのに何よ急に!!何?ちょっと横で寝ちゃったからってすぐに勘違い?男ってやっぱりバカね!!」


 えっ?もしかして昨日はマッサージして終わりだったのか?


「も、も、申し訳ございませんでした!!」


 日本でもやったことのない綺麗な土下座を披露することになった…

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