第13話 持つべきものは優しいギルドマスター
「だーっはっはっはっはっ。なんだお前、そんなことかよ。別に改まって聞くことでもねぇ」
「いや、だって、ほら、僕、まだ、子供に見られる、から、でも、興味が…」
「はっはっはっ。なんだか急にお前が年相応に見えてきたわ」
くそっ。自分が悪いんだけど、なんかムカついてきたな…
「笑いすぎです!!」
「わりぃわりぃ。そうだな。俺も全部知ってる訳ではないが、夜の蝶って店がオススメだぜ。あそこならお前みたいな子供でも金さえ払えばちゃんと相手してくれる」
「ほぉあの裏路地にあるとこですか」
「知ってるのか?」
「まぁ少しだけ事前調査を」
「そうか。まぁ何かあったら俺の名前を出せば大丈夫だ」
「ではスパイクマスターにオススメされて来ましたって言ってお店に入りますね」
「あぁ好きにしろ。なんなら今日の特別報酬として俺が出してやるよ」
「ホントですか!!」
「あぁ。話は通しておくから。まぁなんだ、今回は本当に助かったからよ。個人的なお礼だと思ってくれ」
「ありがとうございます!!」
太っ腹ギルドマスター、何か困ったことがあったら助けよう。
無事にゴブリンの集落の片付けも終わり、街に向かって帰る。
「おぉ〜坊主!!お前強かったんだな!!」
後ろから声をかけられ振り返ると、ギルドで心配してくれたおっちゃんだ。
「あぁこの前はどうも」
「いやぁあん時は悪かったな、てっきりそこらへんの子供と同じだと思ってよ」
「いえいえ、強さとか関係なく、命が大切なのは間違いないですから」
「そう言ってくれるとありがてぇ。そう言えば名乗ってなかったな。俺はアックス。よろしくな」
「ロドニーです。アックスさんですね。よろしくお願いします」
アックスさんはCランク冒険者だった。
長年冒険者やってても、Bランクに上がるのは難しいらしい。
Cランクで一人前の冒険者
Bランクは天才
Aランクは英雄、勇者
Sランクは伝説
そんな感じらしい。
アックスさんと色んな話をしながら帰り、無事に街に到着。
なんだろうな。湯船に浸かりたい気分。
日本にいた時は時間がもったいないからとシャワーだけで済ましていたのだが、気分的に余裕ができたのか、ゆっくりとお湯に浸かる時間を楽しみたいのだ。
「アックスさん、この街って公衆浴場みたいなとこってあるんですか?」
「おぉ。あるにはあるが、ちょっと高いぞ。まぁお前には要らない心配か」
教えてもらった場所へ行くとけっこう大きな浴場だった。
男女と別に獣人も別って書いてあり、理由を聞いたら毛が抜けるからだって言っていた。
色々あるんだね。入浴料は銀貨3枚、3000円といったとこか、たしかに高いな…
将来的には自分で家買ってお風呂を作ることを考えよう。この街に住むと決めた訳ではないし、しばらくはここを利用するか。
中の施設はしっかりしていて、お湯も綺麗だった。このクオリティーなら銀貨3枚でもいいな。
ゆっくりとお風呂を楽しんだ後、宿屋に帰る。カリーはルドルフさんのとこにマッサージでもしに行ってるのか誰も居なかった。
まだお昼前だしな…
よし、たまにはバッツがどんなことしてるか見に行ってみるか。
俺はギルドへ行き、アリアナさんにバッツのクエストを調べてもらった。
今はクエストを終えてギルドの訓練所で訓練をしてるとのこと。さっそく向かう。
「ロドニー、ゴブリン退治終わったの?」
「カリーじゃないか、ここに居たんだな」
「うん。お兄ちゃんがケガしたら治してあげる為に」
「なるほどな」
バッツは同じFランクの冒険者と手合わせをしてる。
「ちゃんと動きながらも魔力操作してるな」
「もぉ同じランクの人だとお兄ちゃんの相手になる子がいないの」
「技術もそうだけど、身体強化の質が他の子と違うからな。あれなら昇格試験も合格するんじゃない?」
「明日が試験だって言ってた」
「そうか。じゃぁ俺もちょっと混ざってくるかな」
訓練用の木刀を持ってバッツの所へ
「ロドニー、帰ってたんだね」
「あぁ。明日試験なんだろ?ちょっと手合わせしてみようか」
「望むところだ!!」
そこから1時間ほどバッツと訓練をした。
まだまだ負ける感じはしないし、なんだか体が軽い、今日は絶好調だな。
「くそっ。なんかロドニー強くなってないか?」
「え?まぁ今日は体が軽いなぁ〜とは思ったけど」
「それ、ゴブリン退治でレベル上がったからじゃないのか?」
「レベル?たしかに!!」
レベルだよな。忘れてた。
「ちょっと確認してくるよ」
「俺もはやくレベル上げしたいぜ」
「明日の試験受かったら一緒に狩にいくか」
「約束だぞ!!」
訓練所を後にして、受付へ。アリアナさんが居なかったので、違う人にレベル確認の部屋の鍵をもらい、さっそく確認。
結果、レベルが15になってた。
ん〜、これは高いのか?
こんど誰かに聞いてみよう。
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