第10話 ゴブリン集落調査

 ワーグ商会で買い物した後はギルドへ行きクエストを見ることに。


 朝の忙しい時間を回避したので比較的空いている。Cランククエストも残っているのは毒持ちのバイパー討伐、ゴブリンの集落の調査、オークの肉の納品。


 とりあえずここら辺の地理を覚えるためにもゴブリン集落の調査にでもしようかな。

 クエストの紙を取って受付へ向かう。


「このクエストをお願いします」


 一応クエストの紙と冒険者カードと一緒に出す。


「はい。えっと、1人で受けますか?」

「そうです」

「かしこまりました。一応調査となっていますが、嘘の情報の場合、罰則がありますのでお気をつけ下さい。情報が無かった場合、報酬は出ません」

「分かりました」


 そりゃそうだよな。嘘の情報を出してお金もらえたらみんなやるよな。


「おぃ坊主、お前ほんとに1人で行くのか?」


 後ろから話しかけられる。


「はい」

「悪いことは言わねぇ。仲間がいないんだったら違うクエストにしときな。調査って言っても何があるか分からねぇ。下手したら大量のゴブリンに囲まれる危険性もあるんだぞ」


 …良い人だった。俺を子供だからってバカにしないで心配してくれる。


「心配してくれてありがとうございます。危なくなる前に逃げますね」

「おぉ。冒険者は少しくらい臆病な方がいいからな。金より命だ。気を付けるんだぞ」

「はい」


 ギルドを後にして調査対象の森へと向かう。途中オークの串焼きが売ってたから買って行く。なんでか分からないが、異世界と言えばオークの串焼きだよね。普通に美味しいし。


 森に到着。

最近ここの森でゴブリンが大量に出てくるから、もしかしたら集落ができてるのではないかということだっよな。


「サーチ」


 魔力探知のこと。別に声に出さなくても良いんだけど、なんか気分的にね。

 サーチにひっかかったのは2箇所。


 たしかに集落ができてそうだな。

 順番に見に行くことに。


「うわぁ〜、めっちゃいるじゃん…」


 パッと見200体ほどのゴブリン。

中には強そうな個体の反応もあるな。結構やばいんじゃ?


 もう一つ、反応があった場所へ行く。

そこはゴブリンではなく、オークの集落があった。数は20体…20くらいならやっちゃいますか。


 一度やってみたかった魔法を使おう。

オークの集落の上に巨大な魔法陣を出し、同時に結界魔法でオークの集落を閉じ込める。


 魔法陣に魔力を注ぐと…


「キィぃーーーーン」


 黒板を爪でひっかいたような、金属音みたいな嫌な音が爆音で鳴り響く。

 もちろん結界の外は無音。


「ぶもぉーーーー!!」


 なんとも言えない光景が目の前に広がる。

自分の耳を引きちぎるオークや頭を岩に叩きつけるオーク。


「うわぁ〜。これは想像よりヤバいな」


 ものの3分ほどで1体を残しオークが倒れている。死んだのか気絶なのかは不明。


 残った1体はオークキング、耳から血を流してる。だが立っているだけで精一杯といったところか。


 オークキングの前に姿を現し、ウインドカッターで首を切り落とす。


 他のオークも生存を確認したがみんな死んでいた。討伐証明とかよく分からないから、とりあえず全部アイテムボックスへ収納。


 ギルドへと戻ることに。

受付に行き、ゴブリンの集落を発見したことを報告。


「えっそれって本当⁉︎」

「はい。南に10キロほどのとこに集落があって、200ほどいました」

「分かりました。こちらで確認をしますので、また明日の朝来て下さい」

「はい。それともう一つあるのですが…」

「なんでしょう?」


 この世界にもマジックバックは存在する。

俺はオークキングの顔をマジックバックから取り出したかのように受付嬢の前に置いた。


「ゴブリンではないのですが、オークの集落もあって、そちらは全滅させておきました」

「………えっ⁉︎」


 情報処理が追いついてないのかしばらくフリーズする受付嬢。


「あの〜」

「あっはい…ちょっと待ってて下さい」


 そのまま俺はギルドマスターの部屋へと連れて行かれる。


「この街のギルドマスターをしているスパイクだ」

「初めまして。ロドニーと言います」

「お前がロドニーか。蒼炎のランスから色々と話は聞いた。なんでもランクに合わない強さを持ってるとか?」

「ランスさんが⁉︎あはは」

「それで?」


 俺はゴブリンの集落のこと、オークの集落のことを報告、ついでにオークを買い取って欲しいことを伝えた。


「なるほど。分かった」

「アリアナから聞いてると思うが、一応こちらでも確認をとるからまた明日来てくれ」


 あの受付嬢、アリアナさんと言うのか。

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